生まれてきて嬉しいはずの子供が、ダウン症の診断を受けるとショックですよね…。
これから、ダウン症の子の育児をしていくということを、考えるだけでも辛いかもしれません。
ですが、ダウン症の子も、健常の子と同じように学校に通うこともあるのです。
ダウン症の子の生活を見ていきましょう。
ダウン症の子供の育児をするうえで、受けられる支援もご紹介します。
ダウン症について

生まれてくるのを楽しみにしていた我が子ですが、障害があると分かったときのショックは計り知れません。
ダウン症は、見た目に特徴がある子が多いので、自分で分かってしまうこともあるといいます。
ダウン症の出生頻度は1,000人に約1人の割合です。
我が子が0.1%の確率に当たってしまったと思うと、辛いですよね。
ダウン症はどんな障害?
子供がダウン症と診断されてパニックになっているかもしれませんが、ダウン症がどのような症状なのか確認しておきましょう。
ダウン症は、身体面と精神面で特徴があります。
身体面では、全体的に筋肉量が少なく、筋肉の緊張が若干低下しています。
そのせいで、つかまり立ちや歩き出しが出来るようになるまでに時間がかかるなど、発達がゆっくり進むことが多いです。
このほか、斜視や遠視、近視などの眼の症状や難聴などがあることもあります。
目の症状や難聴も、発達がゆっくり進むことに影響を与えています。
顔にも特徴がみられることがあり、鼻の根元が低かったり、目がややつり上がっていたりするなどします。
精神面では、健常の子のIQが平均100であるのに対して、ダウン症の子の平均値はおよそ50と、半分です。
そのため、言語の発達に遅れがみられます。
変化に対応することが苦手なことが多く、こだわりが強いと思われがちですが、
成長とともに変わっていき、生活に問題のない程度になることもあります。
ただ、発育や発達の程度は人によって様々で、症状が重い子もいれば軽い子もいるようです。
なぜ我が子がダウン症に!?
ヒトの染色体は22番までペアがありますが、21番目の染色体が1本余分にあることがダウン症の原因です。
精子や卵子が作られるときに、染色体の分裂が正しく行われないことが原因と考えられています。
ですが、なぜ分裂が正しく行われないのかは分かっていません。
ダウン症の子が生まれる確率は、母親の妊娠年齢の高さに比例するというデータが出ています。
高齢出産でもないのに、0.1%の確率の子が生まれると、更に落ち込んでしまうかもしれません。
子供に生まれつきの障害があると、自分を責めてしまいがちですが、ダウン症の原因ははっきりと分かっていないのです。
ママのせいではないのですよ!
健康面は大丈夫?
ダウン症は心臓や呼吸器、目、耳、鼻などに合併症を持つことが多い傾向にあります。
繰り返しの手術が必要になることもありますが、治療後は発達のスピードが向上します。
平均寿命も短いとされていましたが、医学が進歩して、平均寿命も延びてきています。
平均寿命は20歳前後だと言われていたころもありますが、今では50歳以上です。
70歳や80歳で元気に生活している人もいるそうですよ!
ダウン症の子の発達支援もある?!
ダウン症の子は、人によって異なりますが、身体や言葉の発達などがゆっくりな傾向があります。
例えば、歩き始めるのは2歳くらいから、話し始めるのはそのもう少し先が多いようです。
ですが、早くから療育を行うことで、今後必要となるスキルを身につけることができる場合もあります。
療育とは、障害のある子供などに対して、発達の状態や障害に応じて、自立した生活を送れるように支援することです。
発達支援とも呼ばれます。
未就学児の場合、療育センターや児童発達支援センター、児童発達支援事業所と呼ばれる施設が療育を行っています。
小学生になると、放課後等デイサービスなどに通うことになります。
例:スキップランド
利用料については、自治体に確認が必要です。
東京都大田区の例で見てみると、限度額は世帯収入で変わりますが、最高でも37,200円となっています。
療育により、健常の子と同じような生活ができるようになるのは、希望が持てますね。
最近では、大学や専門学校に通っている人も多いようです。
ダウン症の子との今後について
今は、ダウン症の子供の育児について、思い悩んでいることも多いかと思います。
子供との生活は、どのようになっていくのでしょうか。
ダウン症の子の生活は?
ダウン症の子供も、保育園や幼稚園、小学校や中学・高校に進学したり、
障害のある子どもたちのための施設などに通ったりして、集団生活を送るようになります。
乳幼児期は、保育園や幼稚園に通う子もいますし、療育センターでは、発達の状態や障害に応じた支援を受けることができます。
健常の子と同じように、小さいうちは風邪にかかりやすいかもしれませんが、だんだん強くなって休む頻度は減っていきます。
小学校になると、特別支援学級に通いながら一般学級にも所属します。
特別支援学級とは、小学校の中にある、個別の配慮が必要な子供たちだけのクラスです。
個別の配慮が必要な子供たちの学校である、特別支援学校に通う子もいます。
放課後も、健常の子と一緒に学童保育に通ったり、放課後等デイサービスに通ったりして、友達と時間を過ごすことができます。
中学にも、学校の一般学級、個別支援学級、特別支援学校があります。
高校には個別支援学級をもつ学校ががほとんどないため、特別支援学校に通うことが多いですが、入試を受けて一般の高校に通う子もいます。
この頃には、親と過ごす時間よりも、友達と過ごす時間が増えるようですよ。
健常の子と同じですね!
大人になると、一般企業、一般企業での就労を目指す人のための支援施設、福祉作業所などで働きます。
最低賃金が決まっているので、障碍者だからといって給料が出ないなどということはなく、働いた分だけ給料がもらえます。
プライベートで趣味をもって活動する人もいれば、結婚する人もいます。
ダウン症のある人たちも、何らかの支援や手助けがあれば、自立した生活を送ることができているのです。
今後、更に生活をサポートする体制が整ってくれば、活躍の場が広がっていくかもしれませんね。
いつかかわいく思える?
ダウン症の子を、いつかかわいいと思いながら育児ができるのでしょうか?
世間のママはどうだったのか、口コミを参考にしてみましょう。
どんな子であれ子どもは子ども。
一時でも可愛いと思えば育てられるはず。
第一、毎日顔見て泣き声聞いているのにいなくなったら寂しいですよ?
周りと比べるから悲しくなるんですよね‥
今すぐは気持ち的に無理だと思いますがあと数ヶ月経てば“やっぱうちの子可愛い“って親バカになりますよ☆出典:Yahoo!知恵袋
ダウンちゃんは…
可愛いです。うちには、健常に生まれた長女がいますが、
長女と比べると、赤ちゃん期は断然、
ダウンちゃんの方が育てやすいです。まず、泣かない。
大人しい。要求を火が着いたように泣いて訴える健常の赤ちゃんと違って、
抱っこさえしてもらえば、嬉しそうに落ち着き、
顔を見せただけで、幸せそうに眠ってくれます。出典:Yahoo!知恵袋
ダウン症の子は、健常の子と比較すると、赤ちゃんの頃はおとなしくて育てやすい一面があるようです。
また、いつもニコニコしているイメージがありますよね。
そのような点がかわいくなるママもいるようです。
なによりも、我が子なので、お世話をしていくうちに情が沸いてくるということもあるのかもしれませんね!
ダウン症の子が受けられる支援は?
子供がダウン症という診断を受けると、思い描いていた子供との生活が送れない精神的な辛さと、
治療などにかかる金銭面の不安が襲ってくると思います。
そのような不安に対して、支援が用意されています。
障害があることで受けられる支援は、障害の重さなどによって変わり、自治体によっても差があります。
実際にどのような支援が受けられるかは、お住まいの自治体に問い合わせてみてください。
金銭的な負担について
病気の治療には、お金がかかります。
健康保険が適用される治療には医療費助成がありますが、差額ベッド代等は対象外です。
そのような金銭的な負担を軽くするための制度があるので、ご紹介します。
日常生活においても、障害があるがゆえの出費もあるので、助かる制度です!
特別児童扶養手当
ダウン症の子は、多くの場合、合併症による身体の障害や知的障害を持つため、特別児童扶養手当の支給対象になります。
特別児童扶養手当の支給額は、障害の程度によって違い、1級で月額52,400円、2級で月額34,900円です。(2022年4月現在)
所得の制限があって、そのラインは以下の表のとおりです。
扶養親族の数 | 本人の所得 | 配偶者及び扶養義務者の所得 |
0人 | 4,596,000円 | 6,287,000円 |
1人 | 4,976,000円 | 6,536,000円 |
2人 | 5,356,000円 | 6,749,000円 |
3人 | 5,736,000円 | 6,962,000円 |
4人 | 6,116,000円 | 7,175,000円 |
5人 | 6,496,000円 | 7,388,000円 |
こちらの表は、東京都心身障害者福祉センターに記載してあるものですが、特別児童扶養手当は国の制度なので、
どこの自治体でも同じ金額、同じ所得制限になります。
申請は自治体の窓口でできます。
小児慢性特定疾病医療費助成制度
医学的な条件を満たす場合は、小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象にもなります。
小児慢性特定疾病医療費助成制度とは、小児慢性特定疾病の子の医療費の負担軽減のため、医療費の一部が助成される制度です。
18歳未満の以下の条件を満たす小児慢性特定疾病にかかっていれば対象です。
・慢性に経過する疾病であること
・生命を長期に脅かす疾病であること
・症状や治療が長期にわたって生活の質を低下させる疾病であること
・長期にわたって高額な医療費の負担が続く疾病であること
ダウン症であることがそのまま助成の対象ではありませんが、覚えておくと、いざという時に助かる制度です。
申請には、病院で医療意見書を作成してもらう必要があります。
その医療意見書を含む必要書類を準備し、自治体へ申請します。
小児慢性特定疾病に関しては、受診する医療機関や医療意見書を作成できる医師が決まっているので、こちらでご確認ください。
預け先について
特別児童扶養手当が支給されたとしても、やはり金銭面で厳しいこともあるかと思います。
その場合は、両親が働きに出る必要がありますが、その場合、子供を預ける先はあるのでしょうか?
預けられる保育園は、私立か公立かで違ったり、自治体によっては障害児の受け入れ可能な保育園の数に違いがあります。
でも、ダウン症だからというだけで、保育園に入れないということはありません。
ダウン症で、知的障害があると診断されると、療育手帳が交付されます。
この療育手帳を所持していると、保育園審査のポイントの加点になり、保育園に入りやすくなります!
入園後には、加配の保育士の配置をお願いできることもあります。
加配保育士とは、障害のある子供を対象に配置される保育士です。
他の子とは違う配慮が必要な子供に、ひとり先生がついてくれるのは安心ですよね。
療育手帳がもらえるということは、どこかから案内があるわけではなく、
ママ自身が役所に行って交付してもらわないといけないので、注意が必要です。
子供を保育園に預けられると、ママのキャリアも諦めなくてすみますね。
相談窓口について
ダウン症の子の育児を家庭で頑張るのもいいですが、それだけでは行き詰まってしまうかもしれません。
相談窓口に行って辛い気持ちを吐き出すだけで、気持ちが楽になることもあります。
自分では情報収集ができなかった、支援等の情報を教えてもらえることもあるかもしれません。
自治体には、ダウン症に限らず、障害のある人やその家族が相談に行ける窓口が設置されていることが多いです。
例えば、姫路市では、「ひめりんく」という相談窓口があるようです。
また、日本ダウン症協会というところも相談の窓口を設けています。
日本ダウン症協会の相談員は、ダウン症のある子を高校生以上まで育てた経験のある人たちです。
ダウン症の子供の育児をしてきた先輩として、信頼して相談することができますね。
そのほかにも、以下のようなダウン症を持つ子供と家族を支援する団体もあります。
ダウン症の子をもつ家族が集まるイベントがある団体もありますので、探して参加してみてはいかがでしょうか。
それでもダウン症の子の育児が難しいと思ったら
障害がある子向けのサービスや支援はたくさんありますが、それでもやはりダウン症の子の育児が難しいと思うこともあると思います。
そのようなときは、児童相談所などに相談してみてください。
乳児院などの人の手に委ねるという選択肢もあり、そのプロセスを手助けしてくれます。
子供を手放すというと、非情なイメージがあるかもしれませんが、子供のことを思っての選択でもあるはずです。
信頼できる施設を探しましょう。
まとめ
生まれた子がダウン症だと分かると、ショックで、育児をすることが辛くなるかもしれません。
しかし、子供がダウン症になってしまうかどうかは、染色体の分裂がうまくいくかどうかで決まります。
ママのせいではないので、自分を責めないようにしてくださいね!
発達はゆっくりですが、療育で適切な支援を受けることで、健常の子と同じような生活を送ることが可能なこともあります。
学校生活では、健常の子と同じ一般学級に所属する子もいて、友達と一緒に過ごす時間が増えます。
金銭的な負担が軽減される制度もありますし、精神的な辛さを相談できる窓口もあります。
どうしてもダウン症の子の育児が無理だと思えば、最終的に子供を手放すという選択肢もありますので、
思い詰めすぎずに育児をしていけるといいですね。
育児では赤ちゃんといつも一緒なので孤独で悩みも不安も自分の中で抱えがちです。
ちょっと愚痴を外に吐き出せるだけでも楽になりますよ。
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