赤ちゃんが下痢!!病院に行く目安や気を付けたい育児のポイントは?
さっきウンチをしてオムツを替えたばかりなのに、またウンチをしたみたい。
しかも、いつもより水っぽくて臭いもちょっと違う。
赤ちゃんが下痢をすると、
病院を受診したほうがいいのかな?
下痢のときの育児ってどうすればいいの?
と、不安になってしまいますね。
慌てなくて大丈夫です。
まずは落ち着いて、赤ちゃんの様子とウンチをしっかりと確認しましょう。
今回は受診の目安や育児のポイントなど、赤ちゃんの下痢についてお伝えしていきますね。
赤ちゃんの下痢とは?
赤ちゃんの下痢とは、どんな状態のことを言うのでしょうか。
生後1~2ヵ月ごろまでは、1日5回以上柔らかいウンチをするのが普通なので安心してください。
特に母乳育児の場合は、ミルクの場合よりウンチが柔らかくなることが多いですよ。
生後3ヶ月頃から胃腸の機能が少しずつ発達し、ウンチも硬くなってくる場合が多いです。
5〜6ヶ月頃に離乳食がはじまるとウンチの形状や臭いは大きく変化し、大人のものに近くなってきます。
ただ、消化機能はまだ未熟なので、食べたものによってウンチが一時的にゆるくなったり、硬くなることがあるでしょう。
食べたものがそのまま出てくることもあるので、ビックリするかもしれませんね。
このように、成長につれて赤ちゃんのウンチは少しずつ変化します。
ただし、赤ちゃんのウンチに以下の様子が見られるときは、下痢だと考えられます。
- ウンチの水分量が普段よりも多い
- 普段のウンチの回数より、ウンチの回数が多い
- おむつからウンチが漏れてしまう
- 酸っぱい臭いなど、普段とウンチの臭いが違う
赤ちゃんのウンチは健康のバロメーターです。
普段からウンチの様子や回数などを、観察しておくといいですね。
考えられる下痢の原因とは?
赤ちゃんが下痢になると、「どうしてだろう?何が原因なのかな?」と不安になりますね。
赤ちゃんは消化器官が未発達なため、さまざまなことが原因で下痢をしやすいです。
赤ちゃんの症状などから、考えられる原因を探ってみましょう。
感染性のウイルスや細菌による下痢
赤ちゃんの下痢のほとんどの原因が、ウイルスや細菌によるものです。
ノロウイルスやロタウイルス、サルモネラ菌など、さまざまな菌が抵抗力の弱い赤ちゃんの下痢を引き起こします。
白いウンチが出たり、ウンチから酸っぱい臭いがする場合は、ウイルスによる下痢の場合が多いでしょう。
嘔吐や発熱を伴うことも多いので、下痢以外の症状も確認するようにしてくださいね。
消化不良による下痢
離乳食の場合、さつまいも・里芋・かぼちゃのような食物繊維や糖分が多い食べ物や、
乳製品の摂り過ぎが原因で下痢になることがあります。
冷たいものを食べ過ぎたり、飲み過ぎた場合も下痢になることがありますよ。
消化不良による下痢の場合は、数回の下痢で元気になることも多いでしょう。
食物アレルギーによる下痢
大豆や卵などで食物アレルギーを起こし、下痢をすることもありますよ。
食物アレルギーが原因の場合は、原因となる食べ物を食べて数時間以内に、下痢症状などが現れます。
はじめて食べたものや、特定のものを食べた後に下痢をした場合は、食物アレルギーが原因の可能性がありますね。
そのほかにも発疹がでる、呼吸が苦しいなどの症状が出ることがありますよ。
乳糖不耐症
母乳やミルクを飲んだ後に、お腹からゴロゴロと聞こえて毎回下痢になる場合は、乳糖不耐症かもしれません。
乳糖を分解する、ラクターゼという消化酵素が不足していることが原因で起こります。
市販されている乳糖を含まないミルクに切り替えることで症状は改善しますが、
自己判断せずに、一度病院で相談してみるといいでしょう。
抗生物質による下痢
抗生物質の薬を内服している場合は、抗生物質の作用により正常な腸内細菌が弱まり、
一時的に下痢になることがありますよ。
下痢がひどい場合には薬をやめなければいけないので、病院の先生にそのことを伝えましょう。
抗生物質は飲み方が大切なお薬なので、自己判断で服用を中止しないようにしてくださいね。
赤ちゃんが下痢をした場合の病院に行った方がいい目安とは?
赤ちゃんが下痢をすると、病院で受診したほうがよいのか、様子を見てもよいのか悩んでしまいますね。
受診の必要性については、赤ちゃんの様子をよく観察して判断しましょう。
目安をお伝えするので、参考にしてくださいね。
病院の受診をしたほうがよい場合
脱水の症状がある
赤ちゃんの下痢で心配されることは脱水です。
身体の水分量が不足することで、最悪の場合、命に関わることがありますよ。
特に小さな赤ちゃんは、急激に脱水が進むことがあるので気を付けましょう。
早めに受診が必要な症状
脱水症状が見られます。
夜間にこのような症状が見られたら、翌日には受診をおすすめします。
- おしっこが半日以上出ていない
- 涙が出ない
- くちびるや口の中が乾燥している
- 顔色が悪い
- ぐったりしていて元気がない・またはずっと機嫌が悪い
すぐに受診が必要な症状
重度の脱水症が考えられるため、夜間や休日の場合もすぐに救急外来などで受診しましょう。
- 手足が冷たい
- けいれん発作が起きる
- 意識が朦朧(もうろう)としている
ウンチの色がいつもと違う
赤ちゃんのウンチの色がいつもと違う場合は、何かの病気のサインかもしれません。
緑色のウンチは、消化不良が原因のため心配しなくても大丈夫です。
以下の色や形状のウンチの場合はすぐに受診するようにしてくださいね。
ただ、実際にいつもと違う色のウンチが出た場合も、
「このウンチ、危険な色なのかな?」と判断に迷うこともあると思います。
そんなときは、母子健康手帳の中にある、便色カード(ウンチの色のチェックページ)を参考にしてみてくださいね。
赤いイチゴジャムのようなウンチ
赤いイチゴジャムのようなものが出た場合、腸重積というお腹の中で腸が重なる病気の可能性があります。
そのほかにも、冷や汗や、強い腹痛により泣き叫ぶなどの様子がないか確認してください。
腸重積は珍しい病気ですが、悪化すると腸閉塞を起こすこともあるので、早急に病院を受診しましょう。
白いウンチ
新生児の場合は、先天性胆道閉鎖症という生まれつきの病気の場合があります。
肝硬変に進行する場合があるので、早急に治療が必要です。
ウイルス性の感染症にかかった場合も白いウンチが出るので、赤ちゃんが新生児でない場合も、早めに受診してくださいね。
黒いウンチ
生まれてすぐの黒いウンチや、鉄剤を内服している場合の黒いウンチは問題ありません。
少し月齢が進んでも黒色のウンチが出る場合、消化管の出血を起こしている可能性があります。
38.5度以上の発熱がある
下痢と併せて、38.5度以上の発熱がある場合は要注意です。
下痢になると身体の水分が不足し脱水症状が起きやすいですが、発熱するとその危険性は高まりますよ。
嘔吐を繰り返す
嘔吐と下痢を繰り返すと、赤ちゃんは脱水になってしまいます。
ただし、1~2回の嘔吐のあとに症状が治まれば、様子を見ても大丈夫です。
脱水に気を付けて、様子を見守りましょう。
飲み物や食べ物を受け付けない
下痢のときは脱水になりやすいので、水分をしっかりと摂取し、消化のよいものを食べなければなりません。
授乳を拒んだり、食欲がなく食べ物を受け付けない場合は、どんどん症状が重くなる可能性がありますよ。
点滴治療などが必要になる場合があるので、受診したほうがよいでしょう。
下痢が2週間以上続いている
下痢は通常、数日から10日程度で少しずつよくなっていきます。
2週間以上の下痢が続く場合は、一度受診して病院の先生に相談してみましょう。
様子を見てもよい場合
赤ちゃんが下痢をしていても、以下の場合は様子を見ても大丈夫でしょう。
- 食欲があり、普段通り母乳・ミルク・離乳食が摂取できている
- 機嫌がいつもと変わらない
- いつもより少し柔らかいウンチが1~2回多い程度
- おしっこが普段通りでている
脱水などの受診のサインに注意して、様子を見守ってくださいね。
受診したほうがよいか判断に迷う場合
受診したほうがよいか判断に迷う場合は、こども医療でんわ相談(#8000)を利用してみましょう。
小児科医や看護師さんから、受診の必要性などについてアドバイスを受けることができますよ。
参考にしてみてくださいね。
病院を受診するときのポイントは?
病院を受診するときは、どのようなことに気を付けたらいいのでしょうか。
まず、以下の点についてしっかりと把握し、病院の先生へ伝えられるようにしてください。
- 下痢がいつ始まったか
- ウンチの色や形状
- 一日に何回くらい下痢をしているか
- 赤ちゃんの機嫌
- どの程度、水分や食事が摂れているか
- そのほかの症状や気になること
以上の項目について記録をしておくと、正しい情報を伝えることができますね。
受診の際は、下痢のウンチが付いたオムツの写真を撮って、病院の先生に見せるといいですよ。
可能であれば、下痢のウンチがついたオムツを病院に持参することも検討してみてください。
先生の判断材料として役立ちます。
また、出血があった場合やロタウイルスを疑う場合は検便をすることが多いので、
持参していればそのまま採取して検査ができますよ。
ただ、感染源になる可能性もあるので、オムツを持参したほうがよいか病院に事前に確認し、
オムツはビニール袋などでしっかり密閉するようにしましょうね。
病院受診をすると、どんな治療をしてくれるの?
赤ちゃんの下痢に対して、病院ではどんな治療をしてくれるのでしょうか。
まず、赤ちゃんの下痢の症状などから、脱水の症状が疑われる場合は、必要に応じて点滴治療を行う場合があります。
病院によってはウンチの検査を行い、ウイルスの特定を行いますよ。
ただし、ウイルス性の下痢を治すお薬は、今のところ存在しません。
細菌が下痢の原因の場合は抗生物質が処方されることもありますが、整腸剤などを内服しながら、
ウイルスや細菌がすべて外に出るのを待つしかありません。
そのために、受診のあとも自宅での育児が大切なポイントになってきますよ。
赤ちゃんが下痢をしたときの育児のポイント
赤ちゃんの下痢は長引くことが多く、自宅での赤ちゃんのケアが大切になります。
どのようなことに気を付けて、育児を行えばいいのでしょうか。
こまめに水分補給をする
赤ちゃんが下痢をすると、赤ちゃんの体内から急激に水分が失われるため、脱水状態になりやすいです。
少しずつゆっくりと、こまめに水分を飲ませるようにしてください。
ミネラルが補給できる麦茶や、ベビー用の経口補水液がおすすめですよ。
もし、大人用のスポーツドリンクしかない場合は、水で半分程度に割るとよいでしょう。
冷たい飲み物は腸への刺激になってしまうので、常温にしてから飲ませてくださいね。
少しずつゆっくり食べさせる
母乳やミルクの場合は、一度に飲む量を少なめにして、様子を見ながらこまめに授乳するようにしてください。
離乳食の場合は、糖分を含んだ甘いお菓子・果物・乳製品は避け、
- お粥
- 柔らかく煮たうどん
- バナナ
- すりおろしたリンゴ
など消化の良いものを少しずつ、時間を分けて食べさせてあげると良いですね。
下痢のときは赤ちゃんの胃腸の負担を軽くしてあげることが大切ですよ。
焦らずに赤ちゃんのペースに合わせてあげてくださいね。
お尻の清潔を保つ
下痢をすると、赤ちゃんのお尻が真っ赤にかぶれてしまうことがあります。
こまめにオムツを交換するようにしましょう。
お尻がウンチで汚れたときは、ガーゼなどでお尻を拭くか、お尻だけお湯につけてお尻を洗ってあげるといいですよ。
洗い流した後はお尻をしっかりと拭いて乾燥させることも、おむつかぶれを防ぐポイントです。
頻繁なオムツ替えは大変ですが、赤ちゃんのお尻を常に清潔に保てるように、意識してくださいね。
感染予防をしっかり行う
赤ちゃんの下痢は、感染性の可能性もあります。
感染予防のために、マスク、ビニール手袋をつけてオムツ交換をするのがのぞましいですね。
手袋がない場合も、ウンチの処理の後は必ず丁寧に手を洗うようにしましょう。
使用済みオムツや嘔吐物は、すべてビニール袋などで密封して捨ててください。
そのほかにも、
- こまめに部屋の換気を行う
- 赤ちゃんとタオルを共有しない
- 赤ちゃんと一緒に入浴しない(ベビーバスなどで入浴させる)
などの感染対策を行いましょう。
タオルや洋服にウンチがついてしまった場合は、消毒することが必要です。
ハイターやブリーチなどの次亜塩素酸ナトリウムで消毒しますが、哺乳瓶の消毒液を使うこともおすすめですよ。
赤ちゃんは何でも口に入れてしまうので、下痢の赤ちゃんが舐めたオモチャも消毒するといいですね。
0.02%に希釈した次亜塩素酸ナトリウムを吹きかけ、ペーパータオルで拭きましょう。
気を付けたいことは、一般的な消毒に使われるアルコール消毒は、下痢を引き起こすノロウイルスなどには効きづらいことです。
- マスク
- 使い捨てビニール手袋
- 次亜塩素酸ナトリウム
- ペーパータオル
を、いざというときのために用意しておきたいですね。
ママも下痢になってしまうと、赤ちゃんの育児も大変になってしまいます。
感染予防は大変ですが、必ず行うようにしてください。
まとめ
下痢の赤ちゃんの育児は、こまめなオムツの交換や水分補給など、いつも以上に大変ですね。
順調に大きくなっていた赤ちゃんが一回り小さくなってしまい、ママとしては悲しい気持ちになってしまうかもしれません。
また、下痢は長引くことが多いので、「いつまで下痢が続くのかな」と途方に暮れてしまいますね。
ママも育児に疲れないように、リフレッシュや一息つく時間を持ちましょう。
今回紹介した育児のポイントを意識して、受診のタイミングを逃さないようにしてください。
早く赤ちゃんの下痢がよくなって、元気に飲んだり、食べたりしてほしいですね。