法改正で育児休業が3歳まで取れるかも!?メリットだけではない長期育休とは
働いているママに子供が生まれると、育児休業を取得しますよね。
法律で定められている育児休業は、2年です。
しかし、企業に働くママが仕事を続けやすい職場環境整備が進み、法定以上の3歳まで取れる会社も出てきました。
育児休業を3年取ることが可能なら、最長の3年取った方がいいのでしょうか?
メリットとデメリットを見てみましょう。
育児・介護休業法とは?
育児休業などについて定めている、育児・介護休業法という法律があります。
育児・介護休業法とは、子育てや介護をしながら仕事の両立ができるように、支援する制度の法律です。
育児・介護休業法というくらいですから、もちろん、育児休業について定められています。
育児休業とは、子供が1歳になるまで、申し出により休みを取得できる国が法律で定めた労働者の権利です。
2022年6月現在、保育園に入園できないなどの条件を満たせば、最長2歳まで延長できます。
育児・介護休業法は、法改正を重ねていて、働くママが仕事を続けやすい職場環境整備を推進する項目があります。
背景として、少子化が進行していく中、育児中のママの働き方を見直す必要がありました。
出産後も働き続けたいママが、働き続けられるような職場の環境整備がなかなか進まなかったのです。
そのような流れの中、法律では子供が2歳になるまでの育児休業期間を、子供が3歳になるまで育児休業を取れる会社も出てきました。
法改正よりも前に、会社独自で法律以上の育児休業が取れるようにしてあるのです。
自分の会社がどうなっているかは、就業規定で確認してみてください。
そんな育児休業が取得できる対象者とは、どんな人でしょうか?
育児休業の対象者は?
育児休業が取れるのは、正社員だけだと思っていませんか?
育児・介護休業法では、育児休業の対象者を以下のように定めています。
- 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
- 子が1歳6カ月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと
ただし、対象外とする労使協定がある場合に限り、以下の要件を満たす人は育児休業を取得できません。
- 雇用された期間が1年未満
- 1年(1歳以降の休業の場合は、6カ月)以内に雇用関係が終了する
- 週の所定労働日数が2日以下
法律上、正社員でないと育児休業を取れないということは謳っていないので、パートなどの非正規雇用でも対象になります。
パート勤務でも、育児休暇が取れ、その後職場に復帰できるのはありがたいですよね!
職場復帰する予定がある方が保育園にも入りやすいですし、出産後に仕事を探す手間もかかりません。
ただし、週3日以上の勤務が必要で、勤続1年以上でないといけないので、注意してくださいね。
育児休業については、こちらも合わせてご覧ください。
「育児休暇」とは?「育児休業」とは?混同されがちな「育休」について教えます
育児休業の期間ってどれくらい取れる?知らなきゃ損!お得な取り方教えます
育児休業を3年取るメリット
子供の成長を見守れる
育児休業の期間が長いと、子供と過ごす時間がたっぷりとれます。
生まれてから3歳くらいまでは、できるようになることがたくさんあります。
立つ瞬間、歩く瞬間など、その瞬間は一度きりです。
小さい子供はそのときしかいません。
「子供は3歳までに親孝行を終える」と言われるほどかわいい時期を、一緒にたっぷり過ごせるのは嬉しいですね。
時間があるとママに気持ちの余裕が生まれる
子供が3歳くらいまでは、とても手がかかります。
授乳から始まり、おむつ替え、離乳食、着替えの補助、トイレトレーニング…。
危ないことをしないように、常に気を配る必要もあります。
仕事をしながらの育児だと、時間に余裕がなく、なかなか細かいところまで気を配っていられませんよね。
そして、時間のなさは、精神的なゆとりのなさにも繋がってきます。
精神的なゆとりがないと、少しのことでイライラしてしまい、イライラを子供にぶつけてしまうこともあるかもしれません。
家事育児に集中できるゆとりがあると、子供の理不尽な要求などにイライラすることも減り、ママも子供も笑顔が増えそうですね!
予防接種がある程度完了する
子供が0歳から2歳の間、予防接種のスケジュールが詰まっています。
予防接種は、病気を予防したりかかっても重症化しないようにしたりするもので、しっかり受けておく必要があります。
育児休業が3年取れると、ママの時間のやりくりが容易で、予防接種を受けるスケジュール管理がしやすくなります。
仕事をしながらだと、早退をしたり休みを取ったりとスケジュールの調整が大変ですよね。
また、集団生活を始めるうえで、予防接種により免疫がついているので、病気にかかりにくいという点も安心です。
育児休業を3年取るデメリット
育児休業を3年取ることには、デメリットもあります。
どういうものがあるのでしょうか?
経済的な理由
育児休業中は、給与が出る会社が少ないです。
育児休業給付金が支給されますが、原則、子どもが1歳の誕生日を迎える前日までが支給対象期間です。
1歳となっても保育園に入れないなど、やむを得ない場合は最大2歳まで支給が延長されますが、それでも給与よりは少なくなります。
育児休業が3年取れたとしても、早く仕事復帰して、給与をもらったほうが生活は楽になりますね。
保育園に入園できにくい
子供が3歳まで育児休業を取得するとして、3歳になって保育園に入るとなると、2歳クラスに入園することになります。
2歳クラスは、1歳クラスからの持ち上がりで定員が埋まっていることが多く、保育園に入りにくくなります。
3歳クラスに入園できる4月まで待つと、幼稚園という選択肢も出てきますが、そこまでの期間、預ける先に困ってしまいます。
会社との調整ができないと、最悪、仕事を辞めなければいけなくなってしまいます。
子供と常に一緒で息が詰まる
子供はもちろんかわいいのですが、2歳頃になると、自己主張が激しくなってきます。
いわゆる、イヤイヤ期です。
育児休業中は、何を言っても「イヤ」しか言わない子供の相手を、24時間体制でしなければなりません。
仕事と家事育児の両立をしなくてもいいとはいっても、さすがに疲れてきます。
子供と離れる訳にはいかないので、気持ちの切り替えが難しいですね。
仕事をしていると、時間的には余裕がないですが、会社にいる間は子供の相手をしなくてもいいので、その分気が楽かもしれません。
デメリットの解決法は?
デメリットが大きいと、せっかく育児休業が3年取れる会社にいても、なかなか3年の育児休業を取ろうという気になりませんよね。
デメリットを解決して、長く育児休業を取る方法はないのでしょうか。
副業をする
経済的な問題を解決するには、収入を増やすことが一番です。
子供との時間を邪魔されない程度に、副業をしてみてはいかがでしょうか。
ここで、育児休業中に副業はできるの?と疑問が沸きますよね。
実は、育児休業中にも副業はできるのです。
ただし、そもそも会社で副業が禁止されている場合もありますので、就業規定を確認してみてください。
育児休業中の副業については、こちらも見てみてくださいね。
育児休業中に副業はしてもいい?注意点とおすすめ副業・要注意副業
保育園以外の預け先を探す
仕事復帰の際に保育園に入園できないときや、ママがリフレッシュしたいときの預け先に、保育園以外を検討してみましょう。
例えば、ベビーシッターにお願いしたり、ファミリーサポートに登録したりすることができます。
ベビーシッターは高額なイメージがありますが、自治体の補助金でお得に利用できる制度がある場合もあります。
一度自治体に問い合わせてみるといいですね。
ファミリサポートは、地域の人たちが子供を数時間預かってくれたり、保育園の送迎を手伝ってくれたりするサービスです。
一時間数百円で利用できるのが魅力です。
また、保育園に入園することは難しくても、保育園の一時預かりが利用できる場合もあるので、調べてみるといいかもしれませんね。
育休を3年取れる会社で働くママはどうしてる?
育児休業を3年取れる会社に勤める世間のママは、何年の育児休業を取っているのでしょうか?
口コミサイトには以下のようなコメントがあります。
3年間24時間一緒なのは仕事より辛いですから、メンタル強い人しかできないと思います。。
出典:Yahoo!知恵袋
我が家の場合、理由は、経済的なことが一番です。給付金は1年しかもらえませんし、それ以上休むと、社会保険の免除もなくなりますし。
もう一つは、私が住んでいる自治体の保育園事情です。
1歳児から2歳児にあがるときに、ほとんど定員が増えないので、2歳児クラスの入園は難関です。
3歳になると、幼稚園という選択肢もありますが、フルタイムで働いていると、幼稚園はどうも面倒で。
出典:OKWAVE
私の周りでは3年とっている人も多いです。
3歳までの大切な時間をわが子とじっくり過ごすこともとても大事だと思います。
保育園で得るものも多かったけど、金銭的に余裕があるならやっぱり3年とりたいな、とも思います。
だって、小さくてかわいい時間なんてあっという間だろうから!
出典:OKWAVE
やはり、経済的な事情や保育園への入園の関係で育児休業を3年取る人は少ないようです。
イヤイヤ全開な子供と常に一緒にいるストレスも、仕事復帰する理由になるようです。
ただ、いろいろな事情が許せば、しっかり育児休業を取って子供と一緒にいたいというママもいます。
家庭の都合はそれぞれなので、パパともよく話し合って、育児休業を取る期間を決めましょう。
まとめ
育児・介護休業法は改正を重ねて、育児と仕事の両立がしやすい職場作りが求められるようになっています。
法律で定められている育児休業期間は、最長で子供が2歳になるまでですが、法定以上の3歳になるまで取れる会社もあります。
3歳になるまで育児休業を取ることには、メリットもデメリットもあります。
成長が著しい時期の子供と一緒にいられることは嬉しいですが、経済的に厳しくなったり保育園に入園しにくくなったりしてしまいます。
世間のママも、子供が3歳になるまで育児休業を取得したりしなかったりと様々です。
家庭の都合に合わせて、最適な育児休業期間が取れるといいですね。