孫の育児目的で休暇は取れる?祖父母にも育孫休暇が取れる傾向に!
共働きで子どもを育てていると、パパとママだけで面倒をみるのは大変ですよね。おじいちゃんおばあちゃんが近くに住んでいると、預かってもらうこともあると思います。
ところが、会社の定年が後ろ倒しになって、おじいちゃんおばあちゃんもまだ仕事をしている場合が多くなってきました。
孫の育児のための休暇を「育孫休暇」として、制度化している企業もあることをご存じでしょうか?
世の中に広がりつつある「育孫休暇」について見てみましょう。
祖父母に育児休業は適用される?
パパやママが育児のために会社を休む方法として、育児休業があります。よく聞く「育休」という言葉は、この育児休業を指します。
育児休業は法律で定められた権利で、子どもが1歳になるまで(場合によっては2歳になるまで)仕事を休むことができます。
この場合の「子ども」とは、養子を含む法律上の子、特別養子縁組前の試験的な養育期間にある子、養子縁組里親に委託されている子を指します。
つまり、おじいちゃんおばあちゃんが孫の育児目的で、育児休業は取得できないのです。
孫の育児をするために休暇は取れる?
では、おじいちゃんおばあちゃんが子どもの面倒をみるために、取れる休暇はあるのでしょうか?
実は、企業によっては、孫の面倒をみるための休暇が取れるところがあります!
有給休暇とは別に、プールしたり積み立てられたりした休暇分を利用している企業が多いようです。
また、孫の面倒を見る従業員が休めるような制度をとる企業に、奨励金などを支給している自治体もあります。
このように、おじいちゃんおばあちゃんが子どもの面倒をみるための休暇は、「育孫休暇」や「孫育て休暇」と呼ばれています。
お住まいの地域がどうなっているかは、「育孫休暇」や「孫育て休暇」と検索してみるといいですよ。
孫の育児のために休暇が取れる企業や自治体には、以下のようなところがあります。
企業の例:東邦銀行
小学校卒業前の孫がいる従業員は、「イクまご休暇」というものを取得できます。
有給休暇の未消化分を積み立てて充当できる休暇で、子どもの出産や育児を手伝うために利用できます。
孫が小学校卒業するまでと、期間が長く設定されているので、ママも助かりますね!
自治体の例:岡山県
岡山県では、「孫育て休暇奨励金」という制度が導入されています。
これは、企業に対する制度ですが、企業が従業員に孫育て休暇を1日以上与えた場合、奨励金5万円が支給されます。
これにより、従業員が孫の育児でも休暇が取りやすくなることを狙っています。
休暇を出す企業にもメリットがあると、孫育て休暇も広がりそうですね。
祖父母に子どもを見てもらうメリット
子どもを預ける先は、おじいちゃんおばあちゃんでなくても、いろいろな選択肢があります。ですが、近くにいるとついつい頼りたくなってしまいますよね。
おじいちゃんおばあちゃんが仕事をしていてもしていなくても、一番の預け先候補ではありますが、孫の世話のために休暇が取れると、お願いしやすくなりますね。
「実の親だから安心」というだけではない、おじいちゃんおばあちゃんに子どもを預けるメリットを考えてみましょう。
今後、育孫休暇が一般的になってきた場合のシュミレーションにもなりますし、今の段階でも参考になることもあるかもしれませんよ。
施設に預ける際の手続きが不要
普段、子どもは保育園に通っていると思います。ところが、急な残業で保育園が閉まるまでにお迎えに行けなくなったり、土日も仕事になったりすることもあるかもしれません。
そうなると、保育園ではない別の施設に子どもを預けなければいけなくなります。
預けるための登録をして、預けたい日の空きを確認して予約をする、という手続きは意外と面倒なものです。事前面談をしたり、書類を書いたり、健康保険証のコピーなどの準備物があったり…。
それが、おじいちゃんおばあちゃんに預けるときには、電話やメールで連絡するだけですみます。手間も時間もかからず、楽でいいですね!
子どもの負担が少なくて済む
他の施設や他人に子どもを預けると、あちらこちらに子どもを連れて行かなければならず、負担になってしまいます。負担になるのは、パパやママだけではありません。
子どもも、あちらこちらに連れていかれて負担がかかっています。慣れないところだと、緊張して疲れも溜まってしまいます。
相手がおじいちゃんおばあちゃんだと、よく知っているため不安や緊張といった精神的な負担が無いか、あっても少ないでしょう。家に来てもらえれば、子どもが慣れ親しんでいる場所で過ごせるので、ママも安心です。
料金がかからない
子どもを施設に預けるには、お金がかかります。自治体が運営するものでも一時間に数百円から数千円かかり、民営の場所だと更にかかってしまいます。
対して、おじいちゃんおばあちゃんに預けるのに、特別な料金は発生しません。
いつもタダで面倒を見てもらうという訳にはいきませんが、それでも毎回数千円の出費は必要なくなります。経済的にも助かりますよね!
祖父母に子どもを預ける問題点
おじいちゃんおばあちゃんに子どもを預けるのは、ママにとってメリットが大きいですが、問題点もあります。
事前にクリアにしておかないと、後々トラブルになってしまうこともありますので、しっかり話し合っておきましょう。
祖父母の時代の子育てとギャップがある
おじいちゃんおばあちゃんが育児に協力的なのは助かりますが、今と昔では、育児の常識が変わっていることが多いです。
例えば、昔は、赤ちゃんを抱っこしすぎると抱き癖がつき、手がかかるようになると言われていました。今は、赤ちゃんが泣いたら抱っこして安心させてあげましょうと言われますよね。
このような、子育ての世代間ギャップがたくさんあります。ですので、今の常識をおじいちゃんおばあちゃんに伝えておく必要があります。そして、子どもの親であるママの方針で育児をしてもらえるよう、お願いしておきましょう。
そうでないと、昔の常識で子育てをされて、ママのストレスになりかねません。
子育ての世代間ギャップについては、こちらの記事もご覧ください。
今と昔で育児の常識が変わっている!祖父母と関係を良好に保つ秘訣は?
祖父母の負担が増える
実の親にはついつい頼りたくなりますが、頼りすぎには注意してください。おじいちゃんおばあちゃんにも、生活のリズムがあります。そのリズムを崩して、子どもの面倒を見てくれるのです。
少なからず、おじいちゃんおばあちゃんにも負担がかかります。また、おじいちゃんおばあちゃんは年を取って体力がなくなってきています。
ママにとっては、昔のイメージが残っているかもしれませんが、子どもの元気についていく体力はもうないかもしれません。
子どもを預かってもらう頻度などは、事前にきちんと決めておきましょう。
祖父母に頼りすぎないために
ママからすると、おじいちゃんおばあちゃんに子どもを任せられるのは、とても頼もしいことです。
ただ、子どもの世話はおじいちゃんおばあちゃんにとっても、負担になりやすいのを忘れてはいけません。
特に、出産の高齢化により、おじいちゃんおばあちゃんも高齢化してきています。孫のための休暇が取れて、仕事をしなくていいとはいっても、一日子どもの世話をするのは大仕事です。
おじいちゃんおばあちゃんより若いママだって、一日子どもとべったりだと、とても疲れますよね。
おじいちゃんおばあちゃんに頼りっぱなしにせず、何らかの育児サービスを利用することも考えておく必要もあります。
上に書いたような、ベビーシッターやファミリーサポートに登録しておくだけで、後々必要になった時にすぐに利用できます。
おじいちゃんおばあちゃん以外の預け先を確保しておくと、断られたときにもうろたえなくてすみます。
最後に、子どもを預かってもらった時のお礼はきちんと言いましょう!それだけで、多少おじいちゃんおばあちゃんの負担になっていたとしても、預かる側の気持ちが違ってきますよ。
まとめ
共働き家庭では、パパとママだけで子どもの面倒を見るのは困難な場合があります。近くにおじいちゃんおばあちゃんがいると、預かってもらうこともできますね。
おじいちゃんおばあちゃんに預けることができると、ママも子どもも負担が軽くなるでしょう。ただ、おじいちゃんおばあちゃんも仕事をしていると、休暇を取らなければなりませんが、孫の育児という目的では、育児休業は取得できません。
企業によって「育孫休暇」や「孫育て休暇」などの、孫の育児のための休暇が取れるところがあるので、おじいちゃんおばあちゃんの会社はどうか調べてもらいましょう。
おじいちゃんおばあちゃんに子どもを預ける前には、事前に決めておいた方が良いことがあります。後々トラブルにならないよう、しっかり話し合ってくださいね。
もし会社に育孫休暇の制度がなくても、おじいちゃんおばあちゃんに、たまには仕事を休んで育児への参加をお願いしてみてはいかがでしょうか。
孫の育児のための休暇で、おじいちゃんおばあちゃんもママも子どもも、みんなが気持ち良く過ごせると良いですね。