育児と精神面
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育児期の父親の10人に1人がうつ?パパに元気がないと感じたら

やなかゆう
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最近、パパに元気がない…そんな風に感じていませんか?実はいま「父親の産後うつ」が急増しているんです。

出産もしていなければ育休も取っていないパパが、産後うつだなんてそんなまさか…と感じるかもしれません。

しかし、2020年の統計では、子供が生まれた男性のなんと約8%がうつを発症しているんだそう。

これは産後の女性の約10%に、すぐそこまで迫る数字です。

せっかく育児参加に積極的なパパでも、ダウンしてしまったら元も子もありません。

パパにいつまでも元気で頑張ってもらうためにも、今回は「パパの産後うつ」について見ていきましょう。

パパの産後うつとは

女性の産後うつを「マタニティブルー」といいますよね。

同じように育児期の父親がうつになることを「パタニティブルー」といい、産後1年間に最もリスクが高いそうです。

その症状は女性の産後うつと非常によく似ています。

  • 眠れない
  • ひどく無気力
  • 食欲がない
  • 情緒不安定

子供が生まれてからパパにこういった様子が見られたら、それはパタニティブルーの症状かも知れません。

産後の女性はホルモンバランスの乱れからうつを発症しやすいというのは有名な話ですよね。

ではなぜ、育児期を迎えても生理的な変化のない父親が、これほどうつを発症しているのでしょうか?

パパがうつになる原因

パパがうつになる原因は生活環境により様々ですが、

  • 過酷な労働環境
  • パパへのサポートが少ない
  • 家庭における経済的責任

主にこのようなことが複合的に合わさって発症することが多いようです。

育児で疲れ切ったあなたを、パパはサポートしてくれて当然だと思っていませんか?

それは逆の立場でも同じこと。

あなたの理解とサポートがあれば、パパの産後うつは予防できる可能性が高いのです。

世の中のパパを取り巻く環境から、パタニティブルーの原因を探っていきましょう。

過酷な労働環境

こんな統計の話を聞いたことがありませんか?

「日本では、子供を持つ男性が育児や家事に使う時間は一日平均1時間20分程。

イギリスでは約2時間50分、アメリカでは約3時間10分など、欧米諸国に比べてかなり短い。」

引用元:男女共同参画局

このようなデータから、

「日本の男は全然家庭に参加しない…サボってないで、もっと育児に参加するべきだ!」

そう見られてしまっているのが現実ではないでしょうか?

しかし、この統計を「パパ個人の努力不足」と安易に結びつけるのは本質的とは言えません。

他にこんな統計データがあります。それは「子供を持つ男性が仕事に使う時間」。

イギリスでは約6時間10分、アメリカでは5時間20分なのに対し、日本ではなんと約9時間。

日本人男性は、先進諸国の中で断トツで労働時間が長いのです。

男性の育児参加を促すためには、まず男性の労働環境が見直されなければ始まりません。

育児参加に前向きな気持ちを持つパパにとって、日本の労働環境は過酷と言えるでしょう。

パパへのサポートが少ない

このような環境にあるにもかかわらず、男性の育児参加ということばかりが盲目的に叫ばれます。

しかし、男性の育児参加を支援する取り組みは少なく、根性一本で頑張るしかないのが現実。

しかも男性はうつになっても、その原因は仕事に対するストレスに求められがち。

パタニティブルーだとは周囲にも本人にも気付かれにくく、認知度自体が上がらない傾向にあるようです。

そのため男性の産後うつに対する保険医療の仕組みはほとんどありません。

日本には環境面・医療面ともにパパへのサポート体制が整っているとは言えないのです。

しかしこういった社会の問題は取り上げられず、パパ個人の意識の問題にすり替えられてしまっているように見えます。

「育児参加なんてしたくてもできない」

男性側からのそういった発言は「理解がない」「考え方が古い」とバッシングの対象になってしまいます。

本音で発言できない風潮も、パパがストレスを溜め込む要因になっているのでしょう。

経済的責任が大きい

一家の中で最大の経済的責任を負っているのはほとんどの場合父親です。

育休の取得や復職後のポジション落ちなどが家計に与えるダメージは甚大です。

「将来家族に経済的な苦労をかけたら自分の責任だ」

そう感じている父親にとって、仕事に対する執着心は計り知れないものがあるようです。

子供が生まれたからといって仕事が調整できず、むしろ「もっと頑張らないと」と今まで以上に仕事に精を出し、帰りが遅くなるパパも多いのではないでしょうか。

しかし現実は家族のために仕事を頑張れば頑張るほど、逆に家族の理解を失っていく。

「じゃあ俺はどうしたらいいんだ…」

そんな葛藤が、育児期のパパの精神を圧迫しているようです。

家族の将来を背負っているという責任感から、そんな葛藤が生まれるんですね。

責任感が強く、弱音を吐かない。

そんな「立派な男性像」に近い人ほど、実はパタニティブルーになりやすいと言えるでしょう。

予防のカギを握るのは夫婦の関係

パタニティブルーを回避するために何よりも必要なのは、やはり夫婦の会話です。

ただしもちろん、育児がしんどいのはママも同じ。

育児の負担をママがただ黙って背負ってあげればいいというわけではありません。

お互いの頑張りを認め合うこと、お互いの弱音をちゃんと聞いて受け止められること。

それができる夫婦関係の構築が何より大切なのです。

頑張りを認めてあげる

頑張っても報われないという感覚は、精神に大きな負担となります。

パパの元気がないと感じてきたら、まずパパの話を聞いて、その頑張りを認めることが大切。

仕事を頑張ってくれていることや、そんな中でも家事や育児をしてくれることに対して努力を認め、ありがとうと伝える気持ちが必須でしょう。

ただし、ママの頑張りだって理解してもらわなければなりません。

ここでは「お互い頑張ってるよね」「支え合っていこうね」という会話のラリーが重要です。

パパにも気持ちよく育児に取り組んでもらうためには、「やらないことを非難する」のは逆効果かも知れませんよ。

育児は夫婦にとって最大の試練

大切なのは忙しい育児期を乗り切った先にある、強い絆で結ばれた家族の姿。

誰もが結婚するとき、共にそこへ向かうことを誓い合ったはずです。

いま大変なのは、それを目指すための試練のときであること。

そして夫婦で協力してそれを目指していくこと。

この二つを夫婦で強く何度も確認し合いましょう!

「大変だった時期、パートナーの理解は得られず一人でなんとか乗り切った」

お互いがそう思っている夫婦より、協力して乗り切ったという共通認識が夫婦の絆をより確かなものにするでしょう。

コミュニティサービスを利用してみよう

パパの産後うつは認知度も低く、それを支援する公的な取り組みがほとんどないのが現実。

しかし、育児期はママだって精神的に追い詰められる時期です。

パパのサポートもしてあげたいけど、そんな余裕はどこにもない…

そう感じている場合は、民間で運営されているパパ同士のコミュニティへの参加を勧めてみてください。

「パパ友」を作って同じ悩みを共有する機会を増やすことで、パパの気持ちもラクになるでしょう。

保育所などの繋がりも女性がほとんどで、パパにとっては理解し合える仲間を作る機会はママ以上に少ないのです。

そういった孤立感を和らげること自体、うつの予防や改善には効果があるとされています。

ネット上でのコミュニティもありますが、お住いの地域ならもっと良いでしょう。

近くにそういった集まりやイベントがないか、一緒に探してみるのもいいですよ!

NPO法人スーパーダディ協会/仕事と育児の両立を目指す父親の集まり

まとめ

今回はパパの産後うつについてご紹介しました。

聞きなれない言葉のようですが、実はとても身近にあるものなんです。

「最近パパの元気がないかも…」

そう感じたら、放っておくのは危険かも知れません。

そして夫婦で寄り添って子供を育てていくためにも、是非憶えておいて下さい!

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