育児エッセイで忙しく過ぎてゆく日々の価値に気付かされる!おススメ4選を紹介
「おいしいコーヒーを飲みながら、ゆっくり読書をするのが至福のひと時」
「気軽に読める漫画もいいけど、やっぱり絵から情報を得るのではなくて、活字を読んで想像力を膨らませながら楽しみたい」
出産するまでは、大好きだった読書の時間。
けれど、育児が始まってからはそれどころではなくなっていませんか?
育児中は、育児に家事にと睡眠時間を確保する事さえ難しいのに、読書の時間を作るなんてさらに困難ですよね。
時間が作れたとしても、集中できなかったり、眠くなってしまったりしてしまう。
そんなあなたにおすすめなのが、エッセイ本です。
読書は気持ちを落ち着かせたり、ストレス解消の手助けにもなるんです!
この記事で紹介するエッセイを読むことで、慌ただしく過ぎてゆく日々の中に、
愛おしさがたくさん詰まっている事に改めて気付けるかもしれませんよ。
エッセイとは何?なんでおすすめなの?
まずエッセイとは筆者が体験した事をもとに、それに対して思った事や感じた事、考えた事などを思うがままに書き記した文章の事です。
小説の作者が作り上げたフィクションのお話しとは違い、エッセイは経験や事実を書いたノンフィクションのことです。
基本的に文章作品のジャンルですが、決まった文学的形式がない為、漫画としての「エッセイ漫画」と呼ばれる物もあります。
エッセイ本は小説とは違い、一つの文章のまとまりが短く、育児や家事の合間に読みやすいので、忙しいママにもおすすめなんです。
読書でストレス解消できる?
本の紹介の前に、なぜ読書でストレスが解消されるのかという事をお話します。
読書をする事で、得られる効果は実はたくさんあります。
単純に、知識が増える事や文章力、表現力がアップするなどの効果はあると想定できますよね。
なぜストレス解消の効果があるかというと、理由は二つあります。
まず一つは、脳にある扁桃体の活動が沈められるからという理由です。
ストレスが起こる仕組みは様々ですが、その中の一つに扁桃体が不安や恐怖を感じると、ストレスホルモンが分泌されます。
読書をして本の内容に没頭することで、扁桃体の活動が鎮静され、ストレスホルモンが出にくくなるという効果があるのです。
もう一つは、共感能力が活発になるからです。
人は、孤独を感じると大きなストレスになります。
本を読むと、登場人物に感情移入したり、作品の中の人間関係を気にしたりしませんか?
それが、疑似コミュニケーションとなり、ストレス解消に大きく役立つのです。
なので読書をする時は大いに没頭して、本の世界に入り込み、自分も登場人物の一員になったような気持ちで読んでみてください。
そうすることで、より多くのストレスから解放されると思います!
では本の紹介に移りますね。
おすすめの育児エッセイ4選
だんだんおかあさんになっていく
著者 おーなり由子/出版社 PHP研究所
「全てのおかあさんに贈る、花束のような詩集です」
この言葉に惹かれて、手に取ってみた本です。
目の前にある「子育て」という幸せを、改めて確認できるような作品です。
著者のおーなり由子さんは、絵本作家であり漫画家、作詞家でもあり、NHKの「おかあさんといっしょ」の歌の作詞も行われているようです。
そんなおーなりさんが、出産して子供が2歳になるまでに感じた気持ちを詩集にした作品が
この「だんだんおかあさんになっていく」です。
この本に初めて出逢った頃、私は育児に対して少しギスギスした思いを抱えていました。
初めての育児、夫も仕事で忙しいのも重なって、右も左もわからないことが多い中、1人で育児に家事に奮闘していました。
発育や赤ちゃんのお世話で不安なことがあり、育児書に頼ってみても何が正解かもわからない。
「その子のペースで優しく見守りましょう」
「いつかは治まります長い目で見ましょう」
なんて書かれていても、毎日優しい気持ちで子供に接することが出来ていたら悩む事なんかないじゃない!とか思ってしまう始末。
そんな時にこの「だんだんおかあさんになっていく」と出逢いました。
この本を読んで、日々のイライラやハラハラは全部、お母さんには必要な要素で、こうやって「だんだんおかあさんになっていく」んだなと思えたのです。
改めて我が子に対して、まっすぐでまっさらに愛おしいという気持ちになれる本だと思いました。
子供が大きくなってから読んでも、忘れてしまっている貴重な時間を思い出させてくれる、大切な1冊になるかもしれませんよ。
きみは赤ちゃん
著者 川上未映子/出版社 文藝春秋
著者の川上未映子さんの長男、通称「オニくん」の妊娠判明から、1歳のお誕生日を迎えるまでを綴ったエッセイです。
川上未映子さんは、2007年にデビューをして、翌年の2008年には芥川賞を受賞、その後も数々の文学賞を受賞している作家さんです。
この本を読んでみてまずは一言、言いたくなる言葉があります。
それは、「わかる!!」です。
川上さんは出産前から産後1年間で体験した事や抱いた感情を、あけすけで、リアルな言葉で綴っています。
それは育児書や育児雑誌によくありそうな、きれいな言葉を並べてあるのとは全く違います。
きれいな所、楽しい所だけではなく、苦しい時や悲しい時、怒ってしまう時などすべての感情が赤裸々に綴られています。
そのすべての感情はきっと育児中のママなら、誰もが思うであろう感情なんですよね。
なので「わかる!!」とついつい声に出して言いたくなるほど、共感してしまうのです。
時には笑いもあり、涙もあります。
長男オニくんへの愛を語るラストは涙がとまらなかったです。
出産、育児の大変さがわかる作品なので、ママだけではなく、是非パパにもおススメします。
きっとママの大変さを、わかってくれるのではないのでしょうか。
母ではなくて、親になる
著者 山崎ナオコーラ/出版社 河出書房新社
おススメ3冊目は山崎ナオコーラさんのエッセイです。
山崎さんは、デビュー作「人のセックスをわらうな」が映画化されているほどの作家さんです。
私は映画の話も知っていたというのもあり、山崎さんの育児エッセイがすぐ目にとまりました。
そして本のタイトルの「母ではなく、親になる」とは、どういう意味なのかなと気になったので、購入に至りました。
内容は、37歳で第一子を産み、1歳になるまでのエピソードをひと月ごとに記録したようなエッセイです。
心を開いて素直に書いたとあるのですが、本当にその通りで、おどろきや喜びをありのままに綴っています。
山崎さんの表現方法は特徴的で、赤ちゃんの行動やかわいい仕草などの捉え方が、とても独特でユニークです。
本を読み進めていくにつれて、山崎さんがなぜこのタイトルにしたのかというのが、だんだんわかってきました。
常識にあまり捉われない山崎さんは、母親はこうあるべき、いい母親になる、そんな言葉に抵抗があるようで、
お母さんと、お父さんとを分け隔てることなく「親」として子育てをしましょうという事なんですね。
それは決してお互いの負担を平らにすればいいという事ではなく、お母さんが大変な時はお父さんが多く負担すればいいじゃないという事。
「これはお母さんにやってもらわないと」とか「これを教えるのはお父さんの役目」とか役割分担などせずに、
家族みんなが健康でいられるように、それぞれがいい「親」になって効率よく努力をしようということを書いています。
また夫にはサポートしてもらうのではなく、「親」になってほしいと言っていて、すごく共感しました。
理想の母親という重圧で、押しつぶされそうになってしまいそうな時に読むと、
きっと心が不安から解放されるのではないかと思います。
ファミリーデイズ
著者 瀬尾まいこ/出版社 集英社
最後、4冊目に紹介するこちらの作品は、本屋大賞も受賞している作家の瀬尾まいこさんの、初めての家族エッセイです。
このエッセイは、作家であると同時に中学校の教師も務めるという、二足のわらじを履き、多忙極まりない毎日を過ごした瀬尾さんが、
40歳目前に想定外の妊娠が発覚し、母となり奮闘する毎日を書いたものです。
想定外の妊娠とのことですが、赤ちゃんが出来たという事はとてもうれしく、出産の日を楽しみに待ちわびていたようです。
待ちに待った待望の赤ん坊が家にやってきて、毎日喜びや幸せの連続と思いきや、待っていたのは不安な日々だったそうです。
自分が子供だったころと違い、なかなかやんちゃな娘さんのこと。
「乳児 太もも 太すぎ」等インターネットで悩みを検索し続けた日々。
世の中のお母さんたちが、離乳食や誕生日の飾り付けの凝り度合に驚かされたこと。
などなど、子供を持つという事、育てるという事への不安や悩みはたくさんあったようです。
そんな不安な気持ちがありながらも、瀬尾さんは子育てに対してこんな風に言っています。
「自分以外の誰かの未来に手を触れることが出来るのは、とても幸せなこと」
私はこの言葉と、瀬尾さんの子育てを知って、優しい気持ちになれました。
育児ってちょっとしたことでイライラしたり、落ち込んだりしますよね。
そのような時にこの瀬尾さんの言葉を思い出すと、子供の事がすごく愛おしくなり、一日一日を大事に過ごそうと思えるのです。
そして明日が来るのが楽しみになります。
家族のエッセイですので、瀬尾さんの旦那さんと娘さんのやり取りも綴られていて、ほほえましいシーンもあります。
娘さんにも、旦那さんにも暖かい視線を向けている瀬尾さんの作品は、終始優しい雰囲気で、気持ちがいいエッセイです。
まとめ
おすすめのエッセイを4冊紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
どれも、本当に素敵な作品です。
毎日、育児や家事に追われて、しんどさばかり感じてしまう日もあるかもしれません。
毎日同じような事の繰り返しで、やるせない気持ちになってしまった時は、ここでおすすめした育児エッセイを読んでみてください。
自分とは違った愛情表現があることで視野が広がったり、優しい言葉に触れる事でホッとできます。
子供や家族で過ごす時間の一瞬一瞬が愛おしく感じられ、日々の繰り返しにも価値がある、という事に気付かされるきっかけになりますよ。
大変な日々は変わらなくても、心が少し軽くなると思います。
素敵な親子タイム、家族タイムを過ごせるといいですね。
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