育児で休暇を取得したい男性へ!対象期間や制度を把握出来てますか??
もっと子供と一緒に居たい
子供の成長を見逃したくない
と思っていませんか?
今回はそんな男性の家庭進出のハードルを下げるために作られた、新しい制度である「育児目的休暇」について詳しくお伝えします。
それぞれの制度の対象期間や利用例などもお伝えしてますので、自分に合った制度が見つかると思います!
育児休業制度との違い
育児・介護休業法の中の制度である「育児休業制度」と「育児目的休暇」
略すと同じ『育休』になってしまったりして混同されがちなこの2つの制度。
大きな違いはズバリ、法に基づいてるかどうかです。
「育児休業」は法が定めた公的な制度です。
「育児目的休暇」は企業に対して、制度導入の努力をしなさいという「努力義務」が課せられているだけなのです。
簡単にいうと、制度を設けなくても会社側に罰則があるわけではないのです。
【合わせて読みたい記事】
「育児休暇」とは?「育児休業」とは?混同されがちな「育休」について教えます
育児休業制度について
まずは先に育児休業の事を簡単に説明します。
子が1歳(一定の場合は、最長で2歳)に達するまで(父母ともに育児休業を取得する場合は、子が1歳2か月に達するまでの間の1年間<パパ・ママ育休プラス>)、申出により育児休業の取得が可能
また、産後8週間以内の期間に育児休業を取得した場合は、特別な事情がなくても申出により再度の育児休業取得が可能<パパ休暇>引用元:厚生労働省
いわゆる「育休」というものです。
出産日から考えていつから取得できるのか把握しておくと安心ですね。
別の記事で取り上げていますので参考にしてください。
パパも育児休業制度を利用できますが、ママの取得率は80%を超えているのに対してパパの取得率は毎年8%にも満たないのです。
男性の育児休暇取得率に対して政府が出している目標値は13%なのですが、まだまだ届かないですよね。
取得期間もママは90%近くが6ヶ月以上ですが、パパは2週間未満が70%を占めています。
仕事への影響も考えて、1週間を2回取るという人も多いようですね。
男性の育児休業取得の理想と現実の差は、政府も様々な施策を施してきましたが、なかなか縮まりませんでした。
そんな中、2020年のパパの取得率が初めて10%を超え、過去最高の12.7%になりました。
政府の目標の13%にはわずかに及びませんでしたが、飛躍的な増加ですよね!
背景には、ここ最近流行っている感染症により、仕事より生活や家庭を重視するようになった影響があると言われています。
これからはもっともっと育児休業制度が利用しやすくなって、取得率も取得期間も上がるといいですよね。
もっと詳しく!!育児目的休暇について
育児目的休暇は、2017年の育児・介護休業法改正に伴って新しく追加された制度で
パパの育児参加を促進する目的で作られた制度です。
育児休暇を取得できる対象は未就学の子を育てている労働者なので、育児休業の制度を利用し終えた後も活用できます。
今まで会社に休みがほしいと言いづらかった、子供のイベントの時なども
制度があることで休みが取りやすくなるようにしたのですね。
しかし、会社が独自に設置するものなので、以下のような内容は会社によって違います。
- 給与の有無
- 取得できる期間や日数
- 休暇取得中の待遇やサポート
男性が休暇を取るために様々な努力をしている会社もあるみたいなので、まずは会社に確認してみましょう。
また、育児に関する目的で利用できる休暇制度なので、年次有給休暇や子の看護休暇とは区別する必要があります。
育児目的休暇のメリット
育児休業とは違い、休みを取得しても給付金があるわけではないし、会社によっては無給のお休みになってしまう育児目的休暇。
それでも休暇を取ることで、どんなメリットがあるか説明します。
年次有給休暇が少なくても使える
一定期間勤続した労働者に付与される有給休暇ですが、勤続年数が短いともらえる有給休暇も少ないですよね。
子育てのために休みたいけど持っている有給休暇だけでは間に合わない!なんていう時にもこの制度を使う事ができます。
(※有給か無給かは会社によって違うので注意が必要です)
配偶者の出産に立ち会うチャンス
今は当たり前になりつつある、立ち会い出産。
女性は妊娠中にお腹に赤ちゃんがいることで、親になる実感を持ちやすいですが
男性は実感が芽生えにくいことがあると言われています。
出産に立ち会って、出産が危険を伴う事や、命の尊さを目の当たりにすることで、
夫婦でこれから支えあいながら子育てをしていかなくてはいけないんだという覚悟を、改めて決めるきっかけになります。
出産に立ち会っても、何もできる事がないと思ったり、邪魔になるのではないかと思うかもしれませんが、
女性は不安や恐怖心を抱えて出産に挑んでいます。
ただ寄り添ってそばにいて励ましてあげるだけで、とても心強く感じます。
気持ちが安定した状態で出産に臨めるのは、立ち会い出産の最大のメリットです。
病院の方針や、血を見るのが苦手で立ち会いを希望していなかったとしても、
出産が終わってすぐに会えるところにいてくれているだけで安心できます。
夫婦、家族の絆を深める事ができる貴重な瞬間なので、
遠慮なく育児休暇を使えるのは、何物にも代えがたいメリットだと思います。
入園式や運動会などの行事に行ける!!
子育ての行事にも、多目的休暇として休暇制度が使えます。
子供が幼稚園や保育園に通うようになってからは、見逃せないイベントが目白押しです。
昔とは違って、平日にイベントが行われる事が増えてきました。
それに伴い、平日でもイベントに積極的に参加する男性が増えているので、
子供は、自分のパパだけ来ない状況が続くと寂しさを感じてしまいます。
子供のために堂々と制度を利用することができれば、あなたも自身も子供にとってもストレスなくイベントを楽しむ事ができますよね。
子供の成長は著しいので、どんな成長も逃さずに家族の思い出を作っていきたいですね。
パパ友や男性同士の育児情報の交換ができる
男性は女性ほど世間話をしたり、職場でプライベートな話はしたくないと感じる事も多いかもしれません。
しかし、男性が育児に積極的に参加するようになると、女性には理解してもらいにくい男性ならではの悩みも出てくるのではないでしょうか?
そんな時に、育児休暇を積極的に取っていると、職場の女性や先輩パパから様々なアドバイスや有益な情報がもらえる事もあります。
子育てに熱心で家庭的な男性は、親しみやすさや周りからの信頼も得やすいので、
職場のコミュニケーションを円滑にするきっかけになるかもしれません。
取らせる会社側にも大きいメリットがある
政府は安心して子供を産んで育てられる環境の整備の一環として
企業が受給できる「出生時両立支援助成金」という政策に取り組んでいます。
(※助成金を受けるには一定の条件が必要です。詳しくはこちらをどうぞ)
男性従業員に対して、育児休業や育児目的休暇を取得しやすいように、支援を行った会社が受け取れる助成金です。
また、平成22年(2010年度)の改正育児・介護休業法の施行を機に厚生労働省は、「イクメンプロジェクト」を発足。
男性が育児に参加できるよう、労働環境の整備を促進する企業を表彰する
「イクメン企業アワード」という公的な認定をもらえる取り組みがが行われています。
認定をもらえることで、企業のイメージアップや優秀な人材の確保にも繋がるなどのメリットがあるので、
育児休暇を取ることは、会社も自分もWin-Winですね。
ですのであまり前例がなくて、休暇を取るのを躊躇してしまうかもしれませんが、まず第一歩を踏み出してみませんか?
子の看護休暇という制度もある
「育児目的休暇」とは違い「子の看護休暇」は、法が定めた公的な制度です。
対象は未就学の子を育てている者で「時間単位で・最大年5日まで(子が二人以上の場合は10日)」取得することができます。
給料の有無は、「育児目的休暇」と同様に会社側の判断に委ねられますので、しっかりと確認しておきましょう。
子の看護とは
- 子供の体調不良やケガ
- 子供の予防接種や通院
- 乳幼児健診
などの健康面に関係する理由の事です。
育児休業が取れる期間が終了しても、乳幼児健診や予防接種などの予定はたくさんあります。
加えて体調不良も合わせると、未就学の子を育てながら働くのは、かなりの数の日程調整が必要になってきます。
ママの予定を調整してもらうのにも限界はありますよね。
パパが「子の看護休暇」を利用して、ママの予定の都合がつかない時などは、代わりに病院へ連れていく事もできます。
「子の看護休暇」の制度だと、半日だけや、時間単位で休めるため仕事への支障も最小限になりますよね。
こちらも別の記事で取り上げてますので参考にしてみてください。
子どもが熱を出したからと有休にできる?育児休暇制度は使えるか?
休暇休業だけじゃない!こんな支援も!
会社を休める事だけが子育てをしながら働くための支援制度ではありません。
その他に何があるかお伝えしますね。
短時間勤務等の措置
短時間勤務とは、3歳未満の子供を育てている労働者の所定労働時間を、原則1日6時間とする制度でもちろんパパも利用できます。
保育園の送り迎えがあるから始業開始時間を9時にして、就業時間を16時にするなどスケジュールの合わせて勤務時間を考えられます。
育児と仕事を両立するには無理は禁物。
万が一ママが病気になってしまったり、共働きでママが忙しい時期などにパパが時短勤務することも可能ですよね。
ただし、雇用期間が1年に満たない人や、1週間の労働日数が2日以下の場合など適用除外の事もあるので注意が必要です。
育児の為の労働時間の制限
3歳未満の子を育てている労働者が申し出た場合、会社は「所定労働時間」を超えて労働させてはいけないという制度があります。
「所定労働時間」とは会社が定めた就業時間の事で、始業が9時で休憩が1時間あって終業が17時の場合、所定労働時間は7時間となります。
要するに「所定労働時間」の制限というのは、育児があるので残業しなくていいですよという会社からの支援ですね。
また、小学校就学前の子を育てている労働者が申し出た場合、会社は1ヶ月に24時間、1年で150時間を超える「時間外労働」をさせてはいけないという制度もあります。
「時間外労働」とは労働基準法が定めた法定労働時間(1日8時間または週に40時間)を超える労働のことをいいます。
3歳を超えて、小学校に入るまでは残業を一切免除してもらう事はできないけれど、残業時間の制限はしてもらえるという制度です。
これは小さい子を育てているパパにとって素敵な制度ですね。
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夜寝てしまうまでには絶対に帰りたい!などと思っていませんか?
仕事と育児のバランスを考えながら上手に活用すれば、ママもきっと大助かりですよね。
深夜労働の制限
小学校就学前の子供を育てている労働者が申し出た場合、会社は「深夜労働の制限」の配慮をしなければならないという制度があります。
育児休業法で定められている法律で、小学校就学前なら何度でも申請できます。
ただ、会社側が正常な業務、運営に支障が出るような場合は拒否出来る時もあるので、しっかり就業規則などを確認しましょう。
それと、所定労働時間が全て深夜の場合などは、申請できる人の対象外ですのでこちらも注意が必要です。
深夜に子供の面倒を見る事ができる同居の家族(16歳以上の者)がいる場合も、申請できる人の対象外ですが、
産前産後の期間の人は上記の面倒をみれる同居家族とはみなされません。
なので夜勤勤務があるパパとの生活の中で
「夜中に陣痛が来たとき一人だったらこわい」
「産後体が大変なのに夜にひとりは辛い」
というママの不安が解消されますね。
企業の取り組み
これだけの支援制度がありながらも、なかなか社会で浸透していかない男性の育児休業・休暇制度。
その背景には、社内で休みを取れる仕組みが整っていないという事があります。
多くの会社では、あまり男性の育児休業や育児休暇などの支援制度を取得した前例がないことがほとんどだと思います。
そんな中でも、時代の最先端へと努力してくれている企業もたくさんあります。
例を挙げますと
- 男性社員の5日間の育休取得の義務化(大東建託株式会社)
- 残業ゼロ・育休取得推進(株式会社サカタ製作所)
- 配偶者の出産後連続5日間の有給休暇付与(株式会社中部システムセンター)
- 育休取得申請書を上司が手渡しするシステムと取得者にカタログギフトをプレゼント(芙蓉総合リース株式会社)
- 育休期間を2歳まで、労働制限を小学5年生までに延長(ひまわりネットワーク株式会社)
- 在宅勤務制度・フレックス勤務制度の整備(株式会社日立システムズ)
様々な育児支援を企業側が工夫を凝らして行っていますね。
このように努力している企業に共通していることは、男性が育児をするという事に否定的ではないという事なんです。
どの企業も男性が育休を取得しやすい会社作りを目指していて、育児に積極的に参加できるような社内制度の改革に励んでいます。
こういった企業が増えていけば、日本の少子化も解消していくのかもしれませんね。
まとめ
パパだってできれば育児に関わりたいし、ママを少しでも助けたいと思っていますよね。
そんなパパの気持ちに社会が追い付いていないのが現実です。
いくら政府が支援制度を作ってくれても社会の中で浸透しなければ、男性が育児に積極的に参加できるようになるのは難しいですよね。
もし前例がなかったとしても、育児目的休暇などをあなたが率先して取得することによって、
夫婦の絆が強まるだけではなく、働き方改革にも繋がり働きやすい職場づくりに貢献できます。
今後も育児・介護休業法の改正があり、また一歩子供のためのより良い社会に近づくと思います。
パパもママと同じように子育てをするというのが当たり前な社会になってほしいですね。