あなたもHSPかも?正しく受け入れて育児ノイローゼに負けない対処法!!
最近HSPという言葉を聞くようになりました。
書店でもさまざまな本が出ていますし、HSPについて解説している動画もたくさん出てきました。
この記事を開いたあなたはあまりにも悩みすぎてしまい、育児に行き詰まっているのではないでしょうか?
私の友人のEさんには、2人のお子さんがいます。
Eさんの相談を聞いていると
夫や周りのママ友に話しても
「考えすぎだよ!子どもだから仕方ないじゃん」
「細かすぎるよ!神経質だな」と言われることがあるそうです。
なかなか共感もしてもらえないことで自信がなくなっていき、
母親に向いていない・もう頑張れないと、落ち込んでいることがよくありました。
しかし、あなたの感覚は間違ってもいないし、異常でもないので安心してくださいね。
その理由を詳しく説明していきます。
なぜ辛いのか理由がわかれば、前向きな気持ちで育児に取り組むことができます。
Eさんは自分の感覚が、HSPによるものだったということがわかり、前向きになれたそうです。
自分の感覚を信じて自信を持てるようになれば、育児ノイローゼなんて怖くなくなりますよ!
HSPとは
Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の頭文字をとって「HSP」と言われています。
HSPと聞くと何かの病名なのかと感じるかもしれませんが、病気ではなく「その人が生まれ持った気質・性格」として定義されています。
アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱しました。
全人口の5人に1人はHSPだと言われ、遺伝が約47%、残りの53%は環境によって決まるとも言われています。
よく「HSP=繊細さん」と言われていますが、繊細なら誰しもHSPと言えるのでしょうか?
子どもを持つママであれば、子どもの一挙一動に目をこらし、危険がないかいつも神経をとがらせています。
「あそこが危ない!もしつまづいたたら○○のような事故に繋がる!」と危険を察知して、安全に過ごせるように物事を観察していますよね。
よく気が付くので、自分のことを後回しにしてでも、人のために先回りしてなんでもやってしまいます。
夫やママ友の何気ない一言で傷ついたり、逆に自分が何か気に障ることを言ってしまったのではないかと、気に病んでしまうこともあるでしょう。
これらは多くのママが感じるものではないでしょうか。
そうであれば、みんなHSPになってしまいますね。
このように繊細な性格なら、みんなHSPというわけではありません。
また、HSPの特性を調べていくと繊細・感覚過敏・神経質・内向的など一見「発達障害」と似ている部分もあります。
「発達障害」については脳の障害が認められているので、診断書を出してもらったり、特別な治療や支援を受けられたりします。
中にはHSPだと思っていたら発達障害だった、あるいは両方とも併発しているという方もいるようです。
HSPの特徴を知り、あなたにはどんな特性があるのかを理解することで、育児ノイローゼへの対処法が見えてきます。
HSPの核となる特徴
インターネットで、誰でもHSPのセルフチェック診断ができます。
サイトによりますが10~30個程度の質問に対し、選択肢が
全く当てはまらない~どちらでもない~完全に当てはまるなどの、3~5つの選択肢がある形式が多いです。
質問の数が多く、回答もどちらでもないや、やや当てはまる(やや当てはまらない)と言ったあいまいな選択肢があるので、
結果も「ややHSPの傾向(可能性)があります。」といった、結局どうなのかよくわからないものになりやすいです。
ここではHSPと診断する時に、核となる特徴をご紹介します。
それが、「DOES」(ダズ)という4つの特徴になります。
DOES(ダズ)とはHSPの4つの特徴を表した、英語の頭文字を取ったものです。
D=Depth of processing
(情報の処理の深さ)
O=Overstimulated
(外部の刺激を受けやすい)
E=Emotional reactivity and high Empathy
(感情的な反応・共感力の高さ)
S=Sensitivity to Subtleties
(些細な刺激に対する感受性・五感が鋭い)
この4つがそろわないと、HSPには当てはまらないと言われています。
1つでも当てはまらなければ、他の気質や病気の可能性もあるようです。
DOESチェック
D=情報の処理の深さ
- 1つの物事に対していくつかのパターンを予測する。(1を聞いて10を知るような感覚)
- 何かを始める時は情報を集め、リクスはないか、効率よく行うには?とよく考えてからでないと行動できない。
- 相手の何気ない言葉に考え込んでしまう。(その言葉の意味・裏を読もうと深く考える)
O=外部の刺激を受けやすい
- 遊園地やショッピングモールなどの雑然とした人込みが苦手。
- 本屋さんや雑貨屋さんなど物が所せましと並んでいるお店では、情報量が多すぎて疲れる。選べない。(買うものが決まっていれば、探すことができる)
- 大きな音が苦手。(カラオケや居酒屋などがやがやした場所など)
E=情的な反応・共感力の高さ
- 誰かがイライラしていると、緊張したり、自分もなぜかわからないけどイライラすることがある。
- 誰かが怒られていたり、悲しんでいる様子に自分も悲しくなってくる。涙が出る。
- 他人の態度や声に含まれる微妙な変化を察知し、相手の機嫌がわかる。
- 動物や植物に対しても、感情移入してしまう。
S=些細な刺激に対する感受性(五感が鋭い)
- 小さな音やかすかな臭いが気になり、集中できなくなったり、気分が悪くなる。
- 寒さや暑さで気分が悪くなる。
- 他の人がなんともない事でも、不快に感じてしまうことがある。
何か違う気がする?
「当てはまる気がするけど、なんか違う」
そのように感じたとしても、不安になる必要はありません。
HSPはDOESの4つの特徴に加えて、別の特徴の組み合わせで、4つのタイプに分類されるのです。
タイプによっては内向的だけど、社交的。リーダーシップも取れるけど、疲れやすく繊細。
というように、相反する複雑な面も。
下記の4つのタイプにも当てはまっていないか、チェックをしてみてください。
HSP=内向型
HSPの中で最も多いタイプになります。
- 大人しく、慎重。
- 1人でも十分に楽しめる。
- ネガティブ思考になりやすい。
- 人との関わりは最低限にしたい。
感受性が強いので、人や環境の些細な変化に気が付きます。
自分が悪いことをしていなくても、
「自分にもできたことがあったはず。それをしなかったから、場の空気が悪くなったのかもしれない」と、
勝手に傷ついたりしてしまうことも。
1人の時間を取ることで、思考を整理したり、エネルギーの回復をすることができます。
HSS型HSP=刺激追求型&内向型
- 好奇心旺盛
- 新しい事にチャレンジしたい。
好奇心から、いろんなことにチャレンジしたいと思う一方で、
今からやろうとしていることは本当に安全なのだろうか?と慎重に考えます。
自分の中で同時に相反する衝動や不安が出てくるので、自分でも混乱しやすいです。
1人の時間も必要なので、適度な距離間で人と関わることが必要です。
「HSE」と「HSS型HSP」は混同されがちですが、
「HSE」は人との交流を求めているのに対し、
「HSS型HSP」は好奇心から何かにチャレンジしたいという刺激を求めます。
その刺激を求めるときに人との交流が必要であれば、関係を持つことができると言ったところでしょうか。
中には、刺激も人との交流も好む、「HSS型HSP&HSE」タイプもいます。
HSE=外向型
HSPの繊細さと社交的な特性を持ち合わせています。
- 人との交流に喜びを感じる。
- 人見知りをしない。
団体や組織での行動はわりとそつなくこなせるので、HSPの特徴に当てはまるけど、
そこまで内向的でもないんだよなと感じるのであれば、「HSE」タイプかもしれません。
しかし、社交的と言っても、積極的に人前に立つようなタイプではありません。
人と関わることが好きなので、あまりにも1人の時間が長すぎると気分が落ち込んでしまうことも。
HSS型HSE=刺激追求型&外向型
リーダーシップが取れるほど人とも積極的にかかわれるし、刺激にも強いタイプ。
- 人と一緒に取り組むのが好きなので、調和が取れないと本領を発揮できない。
- 些細な言葉で強く傷つく。(社交的なのでより傷つきやすい)
- 考える時間も必要だが、考え込むとストレスになる。
HSPの中でもっとアクティブで行動力があるタイプ。
しかし、DOESの特徴は持っているので、疲れやすかったり、1人の時間は必要です。
大半のHSEが、この「HSS型HSE」の可能性があるともいわれています。
発達障害とHSPの違い
発達障害でも1人でいることを好んだり、刺激に弱く内向的な一面があります。
発達障害では
- 相手の気持ちや空気が読めないので、その場にそぐわない態度を取ってしまう。
- こだわりが強く、想定外のことが起きると強い不安を感じる。
- 大きな音や服の肌触りにも敏感。
- 整理整頓が苦手。
相手が理解できるように順序だてて話すことが苦手だったり、一方的なふるまいをしがちなので、相手との関係を維持していくことが難しくなります。
しかし、HSPの場合は
- 共感力が高く、相手の気持ちを察して適切な対応を取ろうとする。
- 深く考えた末にこだわることはあるが、人と意見が違えば合わせることができる。
- 片付いていないと落ち着かない。
HSPは共感力が高いので、親しい関係でなくても相手の感情や状況を嫌でも察知します。
相手の言葉や表情の裏まで読み取みとれるので、自分のことより相手を優先して気遣い対処しようとします。
このように、人の気持ちや場の雰囲気を読み取れるかどうかで、大きな差があります。
普通の人とHSPの人の違い
自分の子ども2人が、おもちゃの取り合いでケンカをした場面で説明します。
上の子が遊んでいたおもちゃを、下の子が強引に取り上げました。
上の子はいきなり取られたので、返して!と下の子から取り返しますが、下の子も負けじと取り合いになります。
エスカレートして叩いたり、どちらかが泣くまで続く、ということはよくありますね。
普通の人の場合
普通の人であれば「かーしーてー。いーいーよー」の合言葉が必要であること。
「自分がされて嫌なことは、人にはしちゃいけないよ!」などと諭すだけで済むかもしれません。
子どもが泣いて納得がいかず、かんしゃくを起こしていたとしても
上の子には
「楽しいから貸したくなかったんだよね」
下の子には
「自分も遊びたくなっちゃったんだよね」
と、ママは余裕を持ってフォローをしてあげられるでしょう。
HSPの人の場合
一方、HSPのEさんがこの場面に遭遇すると、
上の子に対して
- ママにお兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから、貸してあげなさいと怒られるかもしれない。
- 怒られるとわかってはいても楽しんでいたから、邪魔されたくなかったし遊びたかった。
- 貸ーしーてーや、一緒に遊ぼうと声をかけてもらえたら、一緒に遊べたかもしれない。
上の子はどうすればよかったのかわかっているし、自分なりに反省をしているかもしれないと、さまざまな思いをめぐらせます。
下の子に対して
- 上の子が楽しそうに遊んでいるのがうらやましい。
- 貸してと言っても貸してもらえないかもしれない。悔しい。
- 今すぐ遊びたい!我慢できない!力ずくで取ってしまおう。
- 取った後にケンカになったら、ママに怒られるかもしれない。でも我慢できなかった。
下の子の、上の子への憧れや好奇心からの行動であったこと。
下の子なりに状況が理解できているけど欲に負けてしまったという、罪悪感を感じているかもしれないと、考えをめぐらせる。
ママ自身の感情
「普段から、おもちゃの遊び方や貸し借りのルールは教えているし、幼稚園でも言われていること。本人もよくわかっているはず」
「子どもにも、相手に思いやりを持たなければいけないことや、自分の素直な気持ちに従いたいという葛藤があることがわかる」
「ここで私が諭しても、素直に話しを聞いたり、ごめんなさいと謝れないのも理解できる」
「ケンカしちゃダメでしょと一言でいうのは簡単だから、二人の言い分を代弁しながら、どうするとよかったのか諭してみよう」
このように2人の気持ちと、状況を整理してから、Eさん自身はどう行動するか考えます。
実際声をかけると、子どもはうまくいかないもどかしさや、自分の気持ちをわかってもらえた安ど感から涙が出たりします。
Eさんは子どもの心情を予測して、冷静に話しますが、子どもの様子を見ると自分も泣いてしまうことがよくあるのだそう。
このように日常茶飯事のなんでもないことでも、相手の気持ちや自分の気持ちが雪崩のように飛び込んできて、動揺してしまうのです。
また、夫の機嫌が悪く舌打ちをしたり、勢いよくドアを閉めたりしている様子に
「イライラしてるからそっとしてあげよう」と冷静に考えていても、びくびくして緊張してしまいます。
HSPの人が育児ノイローゼになりやすい理由
HSPの人は物事を深く考えたり共感力が高いので、人の感情と自分の感情を上手く切り離すことが苦手です。
自分が意図しないところで、外部からの刺激や人の感情に振り回されてしまいます。
どう対処すればいいのかわからず、ネガティブに落ち込みやすくなってしまうのです。
特に相手が自分の子どもであれば、子どもの性格をよく理解していますし、
感情表現が豊かで、ありのままをママにぶつけてきます。
だからこそ、子どもの感情に影響をされて、振り回されてしまうのです。
また、育児をしていくには「ママ対子どもだけ」ではなく
夫や子供を預ける保育園や幼稚園、子どもの友達やママ友とのつながりがあります。
自分や子どもに関係する、すべての人や物事に気を配りすぎてしまうので
対処しきれずにパンクしてしまっている状態だと言えます。
Eさんも、ママ友との会話では不快な思いをさせないように、常に気を遣って話しています。
あとから思い返して、「あー言えばよかった。もっと気の利いたことが言えたなぁ」
と、ひとり反省会をする。
メールやメッセージの返信をするにも、
「自分の解釈が間違っていないか、別の解釈の仕方があるのではないか」
「不快に感じさせてしまうような文章になっていないか」
何度も読み返しては、書いては書き直すを繰り返し、時間がかかります。
よく「悩みがあるときは、誰かに話を聞いてもらうと楽になるよ」とアドバイスを受けることがありますね。
しかしEさんは、自分の話を聞いている相手が疲れてしまうのではないか気になって、話しを切り上げてしまう。
自分の悩みを話しているだけで、気持ちがどんよりしてきて、自分の話しに自分が疲れてしまうなんてこともあるそうです。
相手を気遣いすぎて、自分の悩みや気持ちを打ち明けることができず、どんどん自分を追い詰めてしまいます。
HSPの人が育児ノイローゼになりやすいのは、
自分より相手の気持ちを優先する・相手を気遣いすぎる方に、特性が発揮されやすいことが原因の一つに考えられます。
そのまま放っておくと、適応障害やうつ病を発症しやすくなる恐れもあります。
自分の取扱説明書を作る
HSPは4つのタイプがあると説明をしましたが、はっきりと区別ができるわけではありません。
4つのタイプが、グラデーションのように重なり合っているようなイメージです。
例えば、HSEは外向的とされていますが強度・中度・低度とあり、人との交流は好きだけど、長時間一緒にいるのは苦手ということもあります。
あなたならではのHSPの特性があるということになるので、自分で自分のことをよく観察してみるといいですよ。
どんなことが得意で、どんなことが苦手なのかを把握してメモしておくことをおすすめします。
Eさんの場合は、HSS型HSP&HSEの傾向もあるようです。
- 人と関わることは好きだけど、4人以上になると、疲れやすい。
- 人によっては、1対1でも3時間以上一緒にいると疲れやすい。
- 新しい場所に行きたくても、不安がある時は誰と行くと疲れにくく、安心なのか決めておく。(旅行など距離がある場所は夫。カフェや美術館などは友人。)
- 疲れると頭痛がしやすいので、頭痛薬は必須。
- 眠たいのを我慢すると、頭痛に繋がる。出先で疲れたら、目をつむって休める場所をリサーチしておく。(カフェや自然豊かな公園、神社などの静かな場所)
特に苦手な場所やシーンを細かくあぶり出します。
どのようにすれば疲れにくくなるのか、安心できるのかを把握しておくと過ごしやすくなります。
一緒に行動する人の性格によっても、疲れにくさが変わるので、どの人と行くかも重要なポイントです。
自分の取扱説明書を作ることで、自分でもよく分かっていなかった原因と対処法を知ることができます。
把握できれば、相手に説明し配慮してもらうこともできますね。
自分にしかわからないことなので、この機会に向き合ってみてください。
自分の特性を把握できれば、振り回されにくくなる
共感力や外部の刺激に敏感なので、振り回されないと断言することは難しいです。
HSPの人は自分はどんな状況や刺激が苦手なのかを把握して、環境を整えることが対策になります。
あなたが得意とする思考の深さを活かせば、ぐっと楽に過ごすことができますよ。
子どもがケンカやかんしゃくを始めたら
- すぐに止めない。
- 子どもと距離を取る。
- 落ち着くまで見守る。
- 子どもの行動を何パターンか予測する。
すぐに仲裁に入ろうとしても、子どもは興奮して大きな声を出しているので、ママの注意もなかなか聞き入れられないでしょう。
子どものトゲトゲした怒りの感情がママ自身に影響するので、怪我をしないかだけ注意を払い、気が済むまで様子を見ましょう。
ただ様子を見ているだけでは、子どもの感情に共感してしまい、イライラしたり不安になってしまいます。
この感情は自分のものではないと区別する。
深呼吸をして、振り回されない!と意識をすることがコツです。
スーパーなど人目が気になる場所で起きてしまった場合は、人けの少ない場所に移動し様子を見てください。
ケンカやかんしゃくの状況によっては、すぐ収まることもありますが、
大泣きの状態でママに抱っこを求めたり、叩いてきたりすることも。
母親として子どもを受け止めてあげたい気持ちはありますが、乱れた感情の状態で近づかれるのは、苦手でもあります。
どの場所で起きても対処できるように普段の子供の様子を観察して、行動パターンを予測しておきましょう。
あなた自身の心の準備ができていれば、動揺せず対処できますよ。
1人の時間を細切れでも確保する
常に自分の周りで起きていることを、意識していなくても感じ取っています。
細かいところにも気が付いてしまうので、いつも頭の中はフル回転で思考をしている状態。
特に忙しい日でなかったとしても、毎日くたくたです。
HSPの人は頭の中をゆっくり整理したり、空っぽにしてぼーっと休む時間が必要なのです。
- 家事や子どものお世話が1つ片付いたら、お茶を飲みながら5分一息つく。
- 出かけるときは、予定を詰めすぎない。帰ってきたら5分でも一息つく時間を持つ。
- 夜、子どもが寝た後は、部屋の明かりを暗めにし、アロマやキャンドルで静かに過ごせる時間を作る。
Eさんは、頭の中で常に2~3人が会議をしているような状態だと言います。
そこに子ども2人同時に「ねぇねぇ、今日こんなことがあったんだよ」
「私が先に話すの!」「ご飯まだ?早くして!」
夫からも「あれ、どこにあるの?」「今度の休みはどこに行こうか?」
と一気に話しかけられると、頭の中の人も合わせて総勢5~6人と話しているような感覚になるんだそう。
家族には、一気に話しかけられると疲れてしまうことを説明し、
みんなの話したいタイミングが重なってしまった時は、順番にゆっくり話してもらうようにしているそうです。
HSPだからこそたくさんの感動を味わえる
普通の人がHSPの人の感覚を理解するが難しいのと同じように、
HSPの人も普通の人に対して、何で気にならないんだろうと疑問に思うことはよくあると思います。
共感できないからと言って落ち込む必要はありません。
「他人は他人、自分は自分」と割り切ることも大切です。
HSPの繊細さは、精神的に弱くネガティブ思考なのかと思われることがありますが、
自然や芸術、日々の些細な出来事にも感動や喜びを感じられる面もあるのです。
ネガティブなものは、どこまでが自分の問題なのか線引きをする。
ポジティブなものは、存分に楽しみましょう。
実際にEさんが実践している、HSPならではの特性の活かし方や、楽しみ方をご紹介します。
芸術や自然に触れる
音楽や伝統工芸の作品に感動することができます。
生の演奏会に行ってみると、音の振動や、心地よいメロディーに癒されて、全身で喜びを感じることができるそうです。
会場の客席を見渡せば、心地よくて居眠りしている人、付き合いで来ただけなので退屈そうにしている人など、観察したりする楽しみ方もあるようです。
伝統工芸品も、作品が出来上がるまでの工程に感心したり、作家さんの作品に対する思いを知っては感動するそうです。
その場に居合わせた人が、お気に入りを見つけて購入している姿を見ては、自分もウキウキした気分を感じられるそうです。
小さなことに感動できる
HSPの感じ取る力や五感の繊細さを活かして、たくさんのことを感じてください。
Eさんの場合は、朝起きて、外の空気の臭いを嗅ぐ。
空気の湿気の感じで、洗濯物の乾き具合の予想をしたりしています。
昼間には聞こえづらい、鳥の声や風の音を感じるのも心がほっとするそうです。
木に日の光が当たり、葉っぱがキラキラしている様子に、気持ちよさそうだなぁと木の気持ちになってみたり。
子どもにもどう感じるか聞いてみて、それぞれの感性の違いを楽しんでいます。
それでも不調が続く場合
あらゆる対策や、リラックス方法を試しても、改善されないこともあるかもしれません。
その場合は、一度カウンセリングを受けることも検討してください。
しかし、HSPは病気ではないため、病院で診断を行っているところは少ないようです。
HSPの人は共感の言葉をかけてもらえたとしても、相手が本当に共感しているのか、なんとなく違和感を感じてしまう時があります。
気持ちに寄り添うだけのカウンセリングでは、わだかまりができてしまうことも。
なるべくHSPの専門知識を持ったカウンセラーのもとで、相談することをおすすめします。
オンラインカウンセリングもやっている「うららか相談室」では、HSPに特化したカウンセリングを実施してくれる専門家もいます。
下のリンクのページを開いて、
メニューの「カウンセラーを探す」
→「自身の性格・能力」
→ページの中の「HSPの悩み」と進んだ先のページ下部に、対応できる専門家が表示されます。
子どもの繊細さはHSC
HSCとは、Highly Sensitive Child(ハイリー・センシティブ・チャイルド)の頭文字をとったもので、
HSPと同様の特性を持っている、子どもに対する呼称になります。
HSPの特性は約47%が遺伝すると言われているので、あなたのお子さんはHSCという可能性があるかもしれません。
ショッピングモールや遊園地のような人の多いところに行くと、気持ちが悪い・お腹が痛いと言われることはありますか?
普段行かないような公園や人けの少ない場所に行っても、楽しそうにしていたはずが、急に機嫌が悪くなることがあります。
Eさんの子どもの頃の様子を聞かせてもらうと、上記のようなことがあったそうです。
子どもの時には自分でもなぜなのかわからず、言葉では説明できませんでした。
大人になってから振り返ってみると
「元の性格は活発なので遊園地などは大好きでとても楽しんでいた。でも慣れない場所と人の多さで気持ち悪くなることが多かった」
「親や友達に休憩しようか?大丈夫?と声をかけられても、自分は遊びたいから休憩したくなかった」
「楽しみたい気持ちに体が付いてこないもどかしさで、不機嫌になっていた」とおっしゃっていました。
子どもの場合は、今自分が感じている不快感がなぜ起こるのか、どうすればいいのか言葉で説明することができません。
大人が代弁して確認をしようとしても、本人はどうしていいのかわからず、不機嫌になっていることもあります。
お子さんも疲れやすいのであれば、あなたと同じように少しでも楽になれるような環境づくりをしてあげるといいですよ。
お子さん用の取扱説明書を作ってあげると、あなたもお子さんもどう付き合えばいいのか、わかります。
Eさんのお子さんの場合は、
- かんしゃくが起きた時は、手を握ってあげて一緒に深呼吸をする。
- 気持ちを切り替えるのにぬり絵をしたり、手遊びをする。
- 落ち着いたら、さっきは何が嫌だったのかを、ゆったりとした口調で確認をする。
- 遠出をするときは、予定が決まった時点や前日までにカレンダーを見せながら「この日にピクニックに行くよ!何を持っていく?」と心の準備をさせる。
HSPやHSCは事前に状況を把握できていれば、疲れにくいように対処できます。
子どもは幼稚園から学校への進学、習い事などで環境の変化が激しく影響を受けやすいです。
場所や一緒にいる友達によって、疲れやすさが違うので、取扱説明書を作って都度更新していけるようにしておくと楽になりますよ!
自分の気持ちや、やりたい事を言える年齢になると、ひとこと声をかけてあげるだけで自分で落ち着く行動をとれるようになることもあります。
自分の状況を客観的に観察し、冷静な判断をする訓練にもなりますよ。
まとめ
HSPの人が育児ノイローゼにならないようにするためには
- 自分はどの特性を持っているのか把握する。
- 自分の苦手な場所やシーンを書きだす。
- 苦手な場所やシーンにどう対処するのがいいのか決めておく。
- 自分と子どもの取扱説明書を作る。
- 家族にも自分の苦手な場所やシーンがあることを説明し、配慮してもらう。
- 細切れでもいいので、1人の時間を確保する。
- 芸術や自然に触れる時間を作り5感を味わう。
HSPは病気ではなく、生まれ持った性格です。
性格だから変えられないということではありません。
自分に合った環境を整え、苦手なことへの対処の仕方を把握できれば、ずっと楽に生活できるようになります。
HSPだからと精神的に弱く、ネガティブ思考だととらえる必要はなく
むしろ、たくさんの感覚や感動を味わえる、素晴らしい特性なんだと自分を認めてあげてほしいと思います。
自分の感情をうまく表現できない子供にこそ、あなたの特性が活かされてくるのではないでしょうか。
言葉で伝えられなくても、子どもの気持ちを汲んであげられるママは
子どもにって最高のママです。
あなたの感覚は素晴らしいものなので、ぜひお子さんとたくさんの感動を共有してあげてください。