育児でうつかもしれないと思ったら?症状チェックと相談先もご紹介
赤ちゃんが生まれてうれしいはずなのに、気分が落ち込む。
なんだか毎日がつまらない。
私なんかが母親をしていていいんだろうか?
ひょっとすると私はうつ病かもしれない、と思っているあなたへ。
もしそうならできるだけ早く病院に行くことが大切です。
一緒にチェックしてみましょう。
うつ病のセルフチェック
まずは、自分でできるうつ病を疑うサインのチェックをしてみましょう。
上記の当てはまる項目が多く、2週間以上続いているなら要注意です。
詳細なセルフチェックシートはこちらです。
「育児うつ」は、「産後うつ」と明確に区別されていないようですが、大まかに下記のことのようです。
- 子育ての中でのストレスや育児疲れ、環境の変化などからおこるうつ症状
- 産後だけでなく、子どもが大きくなっても起こる可能性がある
- 意欲の低下などの精神的な症状から始まり、頭痛などの身体的症状を併発する脳の病気
- 一過性のものではない
- ほうっておくと本人の命にかかわる
- 育児ノイローゼと混同されることがある
ニュースで「育児ノイローゼの母親が自分子どもを手にかけてしまう」というような痛ましい事件が時々ありますが、ノイローゼだけでなく、うつ病も併発していたと考えられます。
「うつ病かもしれない」と思っている場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
診療科は精神科か心療内科になりますが、内科でも相談可能なようです。
心配な症状があれば、まず内科に行ってみましょう。
育児に関するうつやノイローゼ
上記の項目で、当てはまるけれどちょっと違うところもある、と感じる場合は、育児に関する別の状態かもしれません。
マタニティブルー、産後うつ、育児ノイローゼについても見てみましょう。
マタニティブルー
妊娠中や産後に、漠然と悲しい気持ちになったり、涙もろくなったり、不安で眠れなくなったりします。
多くのママが経験するものです。
- 妊娠中や産後になる
- 産後数日~2週間程度のうちに現れる
- 症状は1~2週間続く
- 2週間程度で時間とともにおさまる
- 産後のママの約半数が経験する
時間とともにおさまるとは言っても、当事者のママは辛いですね。
一人の時間を持ったり、家事の手抜きをしたりして、ストレスをできるだけためないように過ごしてみましょう。
新生児の育児は一番辛い時期!?乗り越えるためのおすすめ対処法
産後うつ
産後うつと育児うつに明確な違いはないようですが、下記のように言われることが多いようです。
- 産後1,2週間後~数カ月以内に現れる
- 意欲の低下などの精神的な症状から始まり、頭痛などの身体的症状を併発する脳の病気
- 症状が数週間~数カ月続く
- 原因は産後のホルモンバランスの変化やストレスと言われている
- ほうっておくと本人の命に係わる
セルフチェック
・疲労感、不眠
・不安、緊張、パニック
・イライラする
・希望を持てない
・集中力や記憶力が弱くなる
・気分が変化しやすい
・せかせかする
・興味に欠ける
・自分を責める
・自分を情けなく思う
・食欲がなくなる
・子供や夫に愛情を感じなかったり、持てない
上記の症状は本人の性格や精神の弱さの表れではありません。
うつの症状なのです。
決して自分を責めないでください。
産後うつはマタニティブルーと違って、ほうっておいてはいけません。
赤ちゃんのお世話ができない、といったことにもつながりますし、命にもかかわってきます。
乳児検診の時にママ向けの質問票がありますね。
それは産後うつかもしれないママを助けるためのチェック項目です。
うつ病になるとほとんどの人が死への思いを持ちます。
しかも、自殺はうつの症状のどん底の時ではなく、その前後に起こることが多いので要注意だそうです。
産後のママの死亡原因の一位は自殺なのです。
初めてこの情報を聞いたときはショックを受けました。
赤ちゃんを残してなぜと思うと同時に、それほど辛かったのだと、私も一歩間違えれば同じだったかもしれないと思いました。
ですからどうか、辛いのに自分ががんばればいい、自分さえ我慢すればいい、とは考えずに、助けを求めてください。
家族は頼れない、分かってもらえない、という場合は外部の相談窓口を頼ってください。
話す内容が愚痴になってしまってもいいんです。
こんなことで相談してもいいのかな?と思っても一歩踏み出してみてください。
相談窓口はあなたのストレスを軽減し、よりよい方向に進むためにあるのです。
記事の後半で相談できるところも紹介しています。
育児ノイローゼ
育児によって強い不安感とイライラ感が続いている状態のことです。
本人は自覚がないケースもあります。
症状としては下記があげられます。
- イライラする
- やる気がおきない
- 疲れているのに眠れない
誰でも不安や悩みはありますが、育児ではわからないことも多く、常に不安な状態に置かれます。
適度に気を抜くことができずに、病的な状態になってしまうそうです。
育児ノイローゼが悪化すると、うつ病になってしまうこともあります。
私も、一人目を出産後、育児を一人でするストレスとプレッシャーで育児ノイローゼになり、最後にはうつ病になってしまいました。
今は、一人で育児に向き合うのではなく、周りに協力をもらい、完璧を求めることをやめて元気になりました。
育児ノイローゼについてはこちらの記事をご覧くださいね。
新生児のお世話で育児ノイローゼになりそう!?その悩みを解決していきましょう!
うつとノイローゼは違う
うつは、発症の原因はわからないとされていますが、環境の変化に対応できなかった等の不安やストレスがたまって、脳の神経伝達物質に変化が生じ、症状が慢性化すること。
ノイローゼは神経症のことで、生活の中で強い不安やストレスを感じ、そのことで現れる様々な症状の総称です。
違う病気なので、併発することもあります。
しかし、症状がイライラする、眠れない、など似ています。
疲れているだけだ、などと思わず、症状が続いているなら病院に行きましょう。
相談窓口
いきなり病院に行くのはちょっと気が引ける、病院にいくほどではない、時間がない、という場合は、相談窓口を利用してみませんか?
小さなストレスは自分では気づきにくいもの。
「ストレスたまってるかも」と思った頃には大きいストレスになっている可能性があります。
誰かに話すことでストレスを軽減できるかもしれません。
電話だけではなく、メールやチャット、匿名で相談できるものもあります。
各都道府県の男女共同参画に関する施設
電話、メール、対面での相談があります。
女性の家庭・職場に関する悩みや出産・育児後の再チャレンジなどについてのご相談ができます。
働く人のこころの耳相談
電話とメールで相談できます。
現在(2021年6月)はSNSによる相談は停止されています。
厚生労働省による相談窓口の案内です。
「働く人」とありますが、労働者の家族も相談できます。
全国の精神科・心療内科の病院の検索も可能です。
都道府県の保健所
電話のみのようです。
保健所に相談できるの?と思われるかもしれません。
不眠、うつなど心の相談のほか、引きこもりや不登校など思春期の問題なども相談できます。
医師などこころの専門家に相談も可能です。
精神保健福祉センター
まずは電話になるようです。
こころの健康相談のほか、こころの病気に不安があるとき、医療が必要かどうかも相談可能です。
近隣の医療機関も紹介してもらえます。
いのち支える相談窓口(自殺総合対策推進センター)
電話になるようです。
いろいろな問題に悩んでいる人や、その家族や友人のための相談窓口です。
こころの健康相談統一窓口
電話です。
地域のこころの健康づくりや自殺防止のために設置されました。
相談できる時間は各自治体によって異なりますので、下記のリンクを確認してください。
こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 おこなおう まもろうよ こころ(ナビダイヤル)
うららか相談室
悩みや不安を専門家に相談できる有料のサービス。
ビデオ、電話、メッセージ、対面から選べ、すべて匿名での利用が可能です。
- メッセージカウンセリング 3600円(税込み3960円)
- ビデオ・電話カウンセリング 1回50分4800円(税込み5280円)
本格的なカウンセリングの相場は1万円前後することを考えるとお安いのかもしれません。
医療費の軽減を受けられる制度
うつ病は長期に渡り、通院、治療が必要な場合もあります。
治療費もきになるかもしれません。
そんな時に利用できる、「自立支援医療」、「高額療養費」という制度があります。
自立支援医療
精神科、心療内科でかかった医療費を、通常の3割の自己負担を1割まで軽減できる制度です。
ただし、「指定自立支援医療機関」でしか受けられません。
指定の医療機関かどうかはその医療機関に尋ねるか、精神保健福祉センターに聞くと良いそうです。
申請書は医療機関や市区町村の窓口にあるそうです。
制度の詳細はこちらをご覧ください。
厚生労働省 精神疾患で通院による精神医療を続ける必要がある病状の方に、通院のための医療費の自己負担を軽減する制度があります
高額療養費
一カ月にかかった医療費が高額になった場合に、決められた負担額(自己負担限度額)を超えた部分について、後日払い戻しを受けられる制度です。
自己負担限度額は年齢や所得によって異なります。
詳細はこちらをご覧ください。
まとめ
うつ病かもしれないと思ったら、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
病院に行くほどではない、行く前にちょっと相談してみたい、という場合は、上記の相談窓口を利用してみましょう。
うつ病はだれでもなりうる病気です。
決してあなたが母親失格だからではありません。
赤ちゃんが生まれて母親になるということは、大変な環境の変化です。
産後のホルモンバランスの変化に加え、睡眠不足、母親であるプレッシャー、一人の時間を取れないストレスなどの中、あなたは本当によくやっていますよね。
でも無理しなくていいんです。
一人で頑張らなくてもいいんです。
あなたと、あなたの赤ちゃんと、家族が幸せになるために、あなたが犠牲になることはないのです。
どうか、周りを頼ってください。
誰かに話してください。
病院にかかることも躊躇しないでください。
病院でうつではないという診察結果が出たとしても、それだけで安心できると思います。
もし、あなたが
「今はまだ大丈夫だけど、これから先ひどくなったらどうしよう?」
「自分で病院に行く判断ができるだろうか」
と思っているなら、症状が悪化したら病院に連れて行ってくれるように、身近な人に事前に伝えておきましょう。
この記事が少しでもあなたの役にたてますように。