自己肯定感の高い子を育てるために|学べる育児本2冊!大切なのはママ自身
自己肯定感の高い子に育って欲しい……。
子どもの健やかな成長を願う親の切実な思いですよね。
ママ自身の自己肯定感が低い場合は、同じ思いはさせまいと、特にその気持ちが強くなる傾向にあるかもしれません。
自己肯定感について書かれた本の数は多く、勉強しようと思ってもどれを読んでいいか迷ってしまいますよね。
今回、ご紹介する2冊はそれぞれ「ママの自己肯定感」と「幼少期の大切さ」に焦点を当てていて、最初に読んでもらうのにピッタリな本ですよ。
親子で自己肯定感を高めていく大事な一歩を踏み出すことができると思います。
自己肯定感とは?高い人・低い人
本の紹介に入る前に自己肯定感について少しお話しさせてください。
自己肯定感とは「ありのままの自分をかけがえのない存在として肯定的に受けれることができる感情」です。
「自信がある人」とよく誤解されがちなのですが、そうではありません。
自己肯定感の高い人は他人と比べるのではなく
「自分は自分」「存在していることに価値がある」
と思うことができます。
失敗したときもダメだった自分を受け入れることができます。
逆に自己肯定感の低い人は、自分のことが認められず「自分なんか」と否定的に考えてしまいます。
精神的にも不安定になりやすく、他人の評価や周りの状況によって一喜一憂してしまうのです。大きな失敗をしてしまった場合、自分を許すことができずなかなか立ち直れないことも。
こういった話を聞くと、我が子にはどうしても自己肯定感の高い子になってほしいと思ってしまいますよね。
日本人の美徳が自己肯定感を低くしている?
日本は諸外国に比べて自己肯定感が低い傾向にあると言われています。
平成30年度に行われた内閣府の調査で、「自分に満足している」と答えた人は欧米諸国が80%に対し、日本はなんと半分の40%でした。
なぜこんなにちがうのかというと日本には「謙遜」という文化があるためだと言われています。
子どもが褒められたとき、
「いやいや、全然できないことばかりですよ」「家ではダメダメなんですよ」
なんて言っちゃっていませんか?
本心ではそんなことをそんなことを思っていなくても、ついやってしまう日本人独特の「謙遜」という文化。
こんな大人のやり取りは子どもにとって「自分は認められていない」と感じ、自己肯定感を下げることにつながってしまいます。
堂々と子どもを認めてあげられるような環境を作り出したいですね。
自己肯定感を上げる最大の鍵はママ!?
自己肯定感が低い人の共通の特徴として
- 子ども時代に親から認められなかった
- 他の人と比較されることが多かった など
幼少期の経験が大きいと言われています。
幼少期に子どもの最も近くにいるのは家族、その中でもやはり一番近くにいる存在はママですよね。子どもの自己肯定感に必要なのは「ママから認められること」。
自分が認められていると分かれば、失敗を恐れなくなり、安心していろんなことに挑戦できますね。
その結果、成功体験を積み重ね自然と自己肯定感を上げることにつながっていくと思います。
しかし、ママ自身の自己肯定感が低いとその影響は親子に及びます。
我が子には自分とは違うようになってほしいという気持ちが強く出すぎて、良かれと思ったことを強制しがちになることも。
子どもに幸せを願ってやっていることが逆効果になってしまったら、ママにとっても子どもにとってもつらいことですよね。
これからご紹介する2冊の本は
「子どもの幸せのためにはママ自身の自己肯定感を高めること」
「幼少期の大切さ」
といった自己肯定感を高めるためにまず考えたいこと、実践すべきことを教えてくれます。
まずはママから始めよう!「お母さんの自己肯定感を高める本」
1冊目にご紹介する本は「お母さんの自己肯定感を高める本」です。
この本の著者である松村亜里さんは2児のお母さんなのですが、元々自己肯定感がとても低かったそうです。
中卒だった松村さんは自信をつけるためにお金を貯めて通信高校に通い、最終的には渡米、大学院まで卒業されています。
しかし、高まったかのように思えた自己肯定感は、思い通りにならない育児の壁によって再び崩壊。再度渡米し、ポジティブ心理学を学び、本物の自己肯定感を高めることに成功したそうです。
育児や自己肯定感について実際の体験や最新の科学に基づき書かれていて、共感できる上、説得力もある内容でした。
本書は子どもの自己肯定感を育てるにはママの自己肯定感を高めることが必要不可欠で、ママの幸せこそがスタートラインだと言っています。
ママの笑顔が子どもの幸せに
ママはいつも家族のために頑張らなくてはいけない、自分のことは後回し、それがいい母親だと思っていませんか?
これもまた「自己犠牲は美徳」という日本の文化かもしれませんね。
本書の中ではこれは幸せとは逆方向に向かう行動であり、自分の幸せを後回しにせず、まず自分が幸せになることが大切だと言われています。
幸せは伝染していくことが分かっており、自分に近い人ほど影響を受けるそうです。
一番近くにいるママが幸せだと必然的に子どもも良い影響を受ける、ということですね。
著者の体験談で、「ママ、笑って」とよく言われてたエピソードがありました。
育児に余裕がないときは、ついイライラしたり、眉間にシワを寄せて過ごしてしまうことがありますよね。
子どもは本当に親のことをよく見ています。ママの悲しそうな顔、怒っているような顔を見るとどうにかしてあげたいと頑張り続けてしまうそうです。
そういったことばかり考えていると、自分の人生を大切にすることができなくなってしまいますね。
ママの笑顔で安心し、無条件の愛を感じることによって幸せの循環が生まれていくのだと思いました。
幸せ=自己肯定感が上昇!14の行動習慣ワークで実践
実際にママが幸せになり自己肯定感を上げていくために、どんなことをしていけばいいのでしょうか?
本書には14の行動習慣ワークがあります。
例えば
- 今日あったいいことを3つ書き出す
- ありがとうと言われた出来事を書き出す
- 5年後の理想の自分をイメージする
- 自分の強みを発掘する
など、直接本に書き込めるでワークで、「どうすれば自分を好きになれる?」という疑問を具体的な方法で教えてくれます。
これらの方法はママが幸せを実感するためのもの。実感する時間が増えるほど、自己肯定感は上がっていくものと思われます。
著者によると、自己肯定感は高めようと思って高めるものではなく、幸せになることによって自然と高まっていくそうです。
14の行動習慣ワークが終わる頃には自己肯定感の高くなった自分に出会えるのでは、と期待ができますよ。
自己肯定感の低い人は周りの人のことを優先して考えてしまう傾向があるそうです。
どこか自分は幸せになってはいけないと思っていませんでしたか?まず、ママが幸せになることが大事な家族も幸せにすること。
幸せになっていいんだよ、と自分に許可を出してあげられる、そんな本です。
親子の信頼関係を築くきっかけに「子どもへのまなざし」
2冊目にご紹介したいのは育児の名著と言われている「子どもへのまなざし」です。
約20年前に書かれた本ですが「乳幼児期の子育ての大切さ」や「育児の本質」について学ぶことができます。
児童精神科医の佐々木正美さんがさまざまな親子との出会い、30年の臨床経験を基に育児の大切さを優しく語りかけてくれます。
20年前というと今の価値観と違うのでは?と思われるかもしれませんね。
確かに現在の環境は20年前とは変わっていますが、自己肯定感の根幹ともいえる「親からの愛の大切さ」は今の時代でも変わりません。
正直に言うとこの本の内容を全て実践することは難しいです。
徹底した子ども目線で書かれており、実現できたら素晴らしいですが実際に子どもの要求をすべて満たしていくのは大変なことですよね。
それでもこの本を読んでほしい理由は、子どもを大切にするとはどういうことかを教えてくれる、育児に悩んだ時の道しるべになってくれる本だと思うからです。
自己肯定感を高めるにはなくてはならない「親子の信頼関係」を築くためにぜひ開いてみて欲しい本です。
特に心に残ったエピソードをご紹介していきたいと思います。
乳幼児期は建物でいう基礎工事
自己肯定感は幼少期が大事と言われていますが、どういった理由からなのでしょうか。
本書では0~6歳頃までを指す乳幼児期は、人格の基礎を作る大事な時期であり、建物に例えると基礎工事の部分だと言っています。
建物というのはどんなに立派な外観や内装で飾っていても、基礎工事がきちんできていないと台風や地震が来た時に崩れてしまいますよね。
人の目に止まるのはきれいな内装や家具かもしれませんが、そういったものはいつでも取り換えられます。
大事なのは基礎がしっかり作られているかどうかで、その基礎工事が行われるのが乳幼児期と言われています。
記憶にもないような頃から子どもの人格は形成されていくのだと思うと、いかにこの時代が大事かが分かりますね。
では、実際にどうすればしっかりとした基礎となる「人格」「自己肯定感」を作ってあげられるのでしょうか。
この本にはっきりと書いてありました!
それは子どもの要求を十分受け止めてあげること、それだけです。
例えば、一緒に歩いていて抱っこしてほしいと言われたら、もうしっかり歩ける歳なのに、なんて思うかもしれないですけど抱っこしてあげる。
ありのままの自分を受け入れてもらえた子どもはしっかりとした基礎を築いていけるそうです。
逆に要求を拒否され続け、無視をされていた子は軟弱な建物しか建てることができず、いつかは崩壊してしまう危険も。
普段の生活で、子どもの自己肯定感を上げたいからといって甘やかしすぎているのではないか、わがままな子になるのではと不安になるときもありますよね。
この本を読むと「それでいいんです!」と背中を押してくれますよ。
本書の中に「育児とは最高に価値と誇りのある仕事」という言葉があります。
子どもの気持ちを聞いてあげる、受け止めてあげる、それだけで立派なママですね。
育児で大切なのは「待つ」という気持ち
周りと違うことに不安を覚えることってありますよね。育児をしていると成長は人それぞれの進み具合があります。
そう頭では分かっていても、つい他の子と比べてしまい、うちの子は大丈夫かな?と不安になってしまうことも。
佐々木正美さんいわく、育てるということは「待つ」ということ。
今度は人間の体に例えられていますよ。
人間の体というのは怪我でも風邪でも休んでいれば自然と良くなる方向にいくので、育児も同じ。
焦らずに子どもの成長・発達を待てばいい、というわけです。
スピードの差はあれど、親がじっと待っていれば子どもは自分の能力で良い方向に向かっていくそうです。
「いつかはできるようになるから楽しみに待っているね」
こういった親の心構えが必要であり、子どもを大切にすることにつながるのだと学ぶことができます。
親を信じてもらうには、まず子どもを信じてあげることからなのかもしれませんね。
失敗したときこそが親の出番
先ほど、親の役割は「受け止めること」「待つ」こととご紹介しました。
次は「失敗したとき」、これが最大の親の出番です。
子どもの傷つく姿は見たくないと、先回りして失敗を防いだり、親の思い通りにさせてしまうことはありませんか?
私も子ども同士がけんかにならないように、ついつい先回りしてしまったりすることがあります。
この本の中では、失敗は求めてもあっていい、失敗によって人格の厚みを増すと言われていますよ。
一番大事なのは、失敗したときに親が一番頼りになるというメッセージをどう伝えることができるかだそうです。
そのときの対応で、困っているときは救ってくれる存在だと、子どもは親を信じることができるのです。
失敗はどんどんさせてあげていい、と思うと少し気持ちが楽になりますね。
それと同時に、何かあったときこそが親の出番なんだと覚悟を決めることができました。子どもの気持ちだけではなく、親の心構えも教えてくれる本です。
育児の悩みは尽きないと思いますが、迷ったとき、不安になったときはこの本を開いてみてはどうでしょうか。
きっと温かいまなざしで子どもと向き合うことができると思います。
まとめ
今回は子どもの自己肯定感を上げたいと悩んでいるママへ、最初に読んでほしい2冊の本をご紹介しました。
ママの自己肯定感が高まり、親子の信頼関係が深まっていくきっかけになれば幸いです。
ママが幸せを感じていると、きっとお子さんも同じ気持ちになってくれると思います。
笑顔を大切に、優しいまなざしで成長を見守っていきましょう。