家計が苦しい!!育児休業給付金をもらいながら働くことはできるの?
育児休業給付金だけでは生活できない!!
育休中は育児休業給付金がもらえるとはいえ、いつもの給料の数割程度…。
赤ちゃんが産まれて急な出費が続いたりすると、途端に家計が苦しくなることもありますよね。
友人のFさんも、冷蔵庫と洗濯機が相次いで故障して買い替えが必要になり、家計は大赤字。
このままだとおむつ代もちょっと苦しい…。
でも、育休中に働いたら育児休業給付金がストップして、さらに家計が苦しくなるのでは?
Fさんは育休中に働くことを想定していなかったので、わからないことばかりで困ってしまったそうです。
この記事では、Fさんのように育休中の収入を少しでも増やしたい方にむけて、育児休業中の働き方をご紹介します!
育休中の働き方の条件
本題に入る前に確認しておきたいのですが、産後の育児にともなうお休みには「育児休暇」と「育児休業」の2種類あるのはご存じですか?
前者が会社独自の制度で、後者が法律で定められた制度です。
この違いについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
「育児休暇」とは?「育児休業」とは?混同されがちな「育休」について教えます
Fさんが取得している育休は、後者の「育児休業」です。
この育児休業期間中に、雇用保険から支給されるお金が育児休業給付金です。
育児休業給付金がわからない方は、まずこちらの記事を読んでみてくださいね。
育児休暇中は給料がもらえないって本当!?年収やボーナスはどうなるの?
それでは、育児休業中の働き方や給料についてくわしく説明していきたいと思います。
育児休業中に働くことはできるの?
結論から言いますと、育児休業給付金をもらいながら働くことはできます!
ただし、勤務先の規定で育休中の労働が認められていることが前提です。
規定上問題なければ、次の2つの条件を満たすことで、職場復帰とみなされず育児休業給付金をもらいながら働くことができます。
- 臨時的・一時的である
- その後も育児休業を継続することが明らかである
ここで出てくる、臨時的・一時的には
一か月の間で就労日数が10日以下または就労時間が80時間以下
という決まりがあります。
勤務先以外で働く場合も条件は同じです。
ただし、勤務先で副業が禁止されている場合があるので、必ず規定を確認しましょう。
育児休業給付金と給料は一緒にもらえる?
育休中に給付金もらえるとはいえ、金額はいつもの給料の67%(育休開始から6ヵ月以降は50%)です。
Fさんのように不測の事態でお金が足りない!ということもありえますよね。
先ほどお伝えした通り、育児休業中も条件の範囲内で働くことができるので、その分のお給料はもらうことができます。
ただし、たくさんお給料をもらうと、育児休業給付金が減額または停止されてしまいます。
表でまとめると次のようになります。
働いて得た収入 | 育児休業給付金の支給額 |
育休前の給料の13%(※30%)以下 | 全額 |
育休前の給料の14(※31)~79% | 育休前の給料の80%から得た収入を引いた額 |
育休前の給料の80%以上 | 支給なし |
※育児休業開始から6ヵ月以降の値
つまり、育休中の収入の上限金額は育休前の給料の80%ということです。
これを80%ルールと呼んだりすることがあります。
例えば、育休前の給料が20万の場合、給料の80%は16万円なので、
16万円以上収入を得ると育児休業給付金がもらえなくなります。
また、働いて得た収入が
育休前の給料の13%(=2.6万円)の時と、79%(=15.8万円)の時は、
収入と育児休業給付金の合計がどちらも16万円になります。
更にいうと、育児休業給付金は非課税、給料は課税対象なので、79%の方が手取りが少なくなります。
頑張って働きすぎると、育児休業給付金がもらえなくなったり、減額されることがあるので注意が必要ですね。
育休中の働き方3選
育児休業給付金をもらいながら働くことができるとわかったFさんは
次の3つを候補に考えました。
- 勤務先で一時的に働く
- アルバイト
- ハンドメイドの商品販売
ここではFさんの話を中心に、それぞれのメリットとデメリットをお話します。
勤務先で一時的に働く
最初に考えたのが、勤務先で一時的に働くことです。
勤務先が人手不足の会社だったりすると、業務のサポートやトラブル対応などで数時間でもいいから働いてもらいたい!と思われるかもしれません。
またママにとっても、勤務先で数時間働くことで、仕事の感覚を少しずつ取り戻すことができるメリットがあります。
復職後の生活がイメージしやすくなりますよね。
ただし育休中に働く場合は復職後と違い、毎回赤ちゃんの預け先を確保しなければいけません。
Fさんの場合、この赤ちゃんの預け先が問題になりました。
Fさんの両親は遠方に住んでいるのため、頼ることができません。
保育園の一時預かりを検討してみましたが、公立の保育園でも1時間あたり500円かかる上に、定員に達しているときは利用することができないとわかりました。
認可外の保育園になると金額が一気に跳ね上がり、1時間あたり1,500円になります。
これでは働いた分のお給料が保育料で消えてしまうので、Fさんは勤め先で一時的に働くことはあきらめました。
【メリット】
- 仕事の感覚を取り戻すことができる
- 育児から離れることで気分転換ができる
- 育児と仕事の両立の練習になる
【デメリット】
- 80%ルールが適用される
- 職場の理解が必要
- 働く時間が短いので仕事が思うように進まない
- 無理して体調を崩す可能性がある
- 赤ちゃんの預け先を確保する必要がある
アルバイトをする
勤務先で一時的に働くことが難しいとわかったFさんは、次にアルバイトを検討してみました。
先にも述べた通り、勤務先が副業を認めていれば、育児休業中にアルバイトをすることは可能です。
ただ、アルバイトの場合でも80%ルールは適用されるので注意が必要です。
Fさんの勤務先の規定で副業は禁止されていなかったので、旦那さんの仕事がお休みの日に、派遣のアルバイトをすることに決めました。
Fさんは、普段赤ちゃんのお世話をほとんどしていない旦那さんに、赤ちゃんを任せることがとても不安だったそうです。
赤ちゃんのお世話のやり方を教えているときには、
「なんでこんな簡単なことができないの!?」
と、イライラすることも。
旦那さんがお世話になれるまでは、苦労されたようです。
ですが、アルバイトを始めたことで、旦那さんが育児の大変さを理解してくれるようになり、
積極的に赤ちゃんのお世話をするようになって良かったと話していました。
またFさんにとっても、アルバイトの時間が気分転換になり、前よりも赤ちゃんの前で笑顔でいられるようになったそうです。
【メリット】
- 仕事が見つかりやすい
- 育児から離れることで気分転換ができる
【デメリット】
- 80%ルールが適用される
- 育児休業中の副業を認めていないとできない
- 赤ちゃんの預け先を確保する必要がある
ハンドメイドの商品販売
Fさんは手芸が得意なので、自分が作った雑貨をネットで販売してみようと考えました。
メルカリメルカリやminne
などのフリマアプリができて、個人でもネットで簡単に商品を販売できるようになりましたね。
物づくりが趣味の方なら、Fさんのようにネット販売に挑戦したいと思われるのではないでしょうか?
実はハンドメイド商品の販売のような個人でやる在宅ワークは、育児休業中のお小遣い稼ぎにピッタリだったりします!
なぜなら、今までのケースと違い80%ルールが適用されないからです!
就業せずに個人で得た収入は、申請する必要がないのでいくら稼いでも給付金が減ることはありません。
これは、ハンドメイド商品の販売だけではなく
- クラウドソーシング
- ブログ
- アンケート
などで得た収入も、同様の扱いになります。
Fさんは赤ちゃんが寝た後に、せっせと商品をつくり販売しました。
在宅ワークだと子育ての合間に作業ができるので、赤ちゃんを預けることなく働くことができますね。
Fさんの雑貨は最初は全然売れませんでした。
他の作家さんの売れ筋商品を参考にしながら試行錯誤を重ね、なんとか自分のお小遣い程度稼げるようになったそうです。
【メリット】
- 収入をハローワークに申請する必要がない
- スキマ時間を利用して、子どもを預けずに働くことができる
【デメリット】
- 育児と仕事のメリハリがつけにくい
- 稼げるようになるまで時間がかかる
- 売上がないと収入はゼロ
まとめ
育休中に、育児休業給付金をもらいながら働くことは可能です!
ただし、勤務先の規定で育休中の労働が認められていることが前提です。
働き方には、一か月の間で就労日数が10日以下、または就労時間が80時間以下までという決まりがあります。
また、働いて得た収入が育休前の給料の14%を超えると、育児休業給付金が減額または停止となるので、働きすぎには注意が必要です。
育休中の働き方には
- 勤め先で一時的に働く
- アルバイト
- 個人でやる在宅ワーク
がありますが、それぞれメリット・デメリットがあるので、自分にあった働き方を選んでみましょう。
短時間であったとしても、1歳未満の子どもを育てながら働くのはとてもハードです!
働いて収入を増やすことも良いですが、余計な出費がないか見直してみるのも一つの手だと思います。
くれぐれもママがきつくならないように、無理せず自分のペースで働いてみてくださいね。