育児と精神面
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育児と仕事の両立で忙しい!うつになっているかも?ほほえみのうつ病に注意

やなかゆう
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気分は沈みがちだけど、仕事は笑顔でこなせる。育児と仕事で毎日忙しくて、夜にはクタクタ。

自分の時間もないけど、きっと幸せなはず。私さえ頑張れば解決するのだから……。

ちょっと待ってください!あなたの落ち込んだ気持ちをそのままにしていてはいけません。

もしかしたら、「ほほえみのうつ病」かもしれませんよ。

様々なうつ症状

うつ病は身体的ストレスや精神的ストレスを背景に、脳が機能障害を起こし、否定的な考えをしたり、体の不調が続く状態のことをいいます。

うつ病を放っておくと自殺願望が出てきたり、自暴自棄になって命にかかわる事態になることは、よく知られていますね。

育児と仕事を両立して頑張っているママは、うつ病になる可能性が高いと言われています。

忙しすぎて身体的にストレスがかかるのはもちろん、子どものこと、育児のために仕事を遅刻・早退するときの職場の雰囲気、仕事のことなどで精神的にもストレスフルな状態です。

「確かに気分は落ち込むけど、仕事は何とかこなしているし、うつ病じゃないよね」?

そうとも言い切れません。

「ほほえみのうつ」をご存じでしょうか?正式な病名ではありませんが、近年多くの報告があるそうです。「症状がわかりやすい」と思われる、一般的なうつ症状とは少し違います。

症状を比べてみましょう。

一般的なうつ症状

一般的なうつ症状は下記になります。

  • 好きだったことに興味がなくなる
  • 態度がころころ変わる
  • 食欲不振や異常なほどの食欲増加
  • 不眠
  • 自分の人生がつまらなく感じる
  • 朝に気分が落ち込むことが多い
  • イライラしてじっとしていられない
  • 仕事に集中できずミスが増える
  • 疲れやすい
  • 頭痛や肩こり
  • 子どもをかわいいと思えない
  • 死への思いがある

これらの症状が2週間以上続いていることを指します。

周りからも気づかれやすい特徴と言えるでしょう。

しかし、ほうっておくと命にかかわるので、早急に病院に掛かることが求められます。

ほほえみのうつの症状

一方、初期は周りにも気づかれにくいと言われる「ほほえみのうつ」症状は下記のようになります。

  • 朝起きて支度をして仕事に向かうのが大変なことに感じられる
  • 職場では笑顔も作れるし、元気な従業員として振舞える
  • 元気に見えるが、心は空虚感を感じる
  • 誰かと一緒にいるときは心配させないように笑顔でいるが、一人になると極端に落ち込む
  • 業務は何とかこなせるが、集中力が長くもたない
  • 帰宅すると、とても疲れていてクタクタ
  • 夜になると気分が落ち込む
  • 自分のために時間を使ったのがいつか思い出せない
  • 生きるための最低限のことしかできない(食事がおろそかになったり、約束をすっぽかしたりしてしまう)
  • 積極的に死にたいとは思わないが、事故死などを想像しても動揺しない

「うつ」の症状を知っていても、「笑顔だし」「仕事はこなせているし」と、周りも本人も気づくのが遅れ、悪化するケースが多いそうです。

うつ病がひどくなると、自殺する気力さえなくなります。

しかし、「ほほえみのうつ」の場合は、日常生活を送る気力はあることから、実際に自殺をしてしまう可能性が高くなってしまいます。

うつ病が最もひどくなる前後が一番自殺の危険性が高いのです。

「私は仕事も育児も忙しいけれど、幸せなはず。落ち込む理由はどこにもないのに、辛く思うなんて恥ずかしい」

と、落ち込む自分を恥ずかしく感じて、自分で自分の感情に蓋をしてしまうこともあるようです。

本当は辛い気持ちを一番分かってあげられるのは自分自身です。

悪化する前に、自分の心の声を聴いてあげましょう

そして、一人で抱え込まずに誰かに相談したり、病院に行くことも考えましょう。

仮面うつの症状

ほほえみのうつ病とは別に「仮面うつ」と呼ばれる症状もあるようです。

こちらも笑顔でいられるところは「ほほえみのうつ」と似ています。

落ち込むなどの、気分の不調よりも、身体的不調が多いところが異なっています。

  • 午前中に集中力がなく、ミスが多くなる
  • 笑顔だが、言動が不安やイライラを感じさせる
  • 食欲がなくなる
  • 原因不明の便秘や下痢の持続
  • ひどい肩こりや頭痛
  • 口が乾く

体の不調で病院を受診し、異常なしと診断されることで「仮面うつ」を疑われるようです。

体の不調が続くけれど、「うつ」だとは本人も周りも気づきにくいため、知らないうちに悪化してしまうことも。

「うつ」の初期症状は体の不調として現れることも多いため、長く続いていたり気になるときは早めに病院に行くことが必要です。

うつかもしれないと思ったら

上記の症状に当てはまり、「もしかして自分はうつかもしれない」と思ったらどうしたらよいのでしょうか?

もし、職場に産業医がいれば相談してみてください。産業医を通じて、上司に業務の整理など改善をしてもらうことも可能だからです。

産業医は業務上で知った患者(この場合は社員)の情報を本人の許可なく会社側に報告してはいけないとされていますので、上司に情報が筒抜けということはありません。

とはいえ、緊急性があるなどの場合は、本人の許可なく産業医の判断で会社側に報告されることもあります。

そのことが心配、または職場関連の人には相談しにくいという場合は、電話やメールなどで相談できる窓口もたくさんあります。

詳しくはこちらの記事で紹介していますので、ご覧くださいね。

育児でうつかもしれないと思ったら?症状チェックと相談先もご紹介

また、病院に行こうとは思うけれど、精神科や心療内科はハードルが高い、と感じることもあると思います。

そんな場合はまず内科を受診してみてください。

多くの内科ではうつの相談も受け付けてくれるようです。

また、誰かに相談したり、病院に行く前にもう少し様子を見たい場合もあると思います。

そんな時は生活習慣の見直しや一人の時間を持つ、家事の手抜きをするなどして、ストレスをできるだけためないように生活してみましょう。

自分が休むための時間の作り方については、下記の記事がヒントになるかもしれません。

【育児を休みたいけど休めないママ必見】肉体的・精神的別の休む方法

生活習慣などを見直しても不調が続くようであれば、医療機関を受診してくださいね。

「うつ」と診断されたら?

もし、病院に掛かって「うつ」と診断されたとしても、即座に休職などにつながるわけではありません。

しかし、症状改善のために、仕事をしばらく休むこともあるかもしれませんね。

そうなったときのために、休職の手続きや、休職中のお金のことなどについてまとめておきます。

休職の手続き

休職の手続きをするには専門医の診断書が必要になります。

実際に会社でどのような手続きが必要かは就業規則を確認しましょう。

また、他にも確認する事項は

  • 休職期間は最長いつまで取れるのか
  • 休職中は有給か無給か

になります。

上記の二つは会社によっても違いますし、正社員かそうでないかで条件が変わったりもします。

もし、休職中に給与がもらえるとしても満額とは限りませんし、無給である会社がほとんどです。

休職期間の最初は、有給休暇が残っていれば、その消化から始まりますが、その後どうなるかも確認しておいた方が良いでしょう。

休職の期間

人にもよりますが、うつの症状によって休職する期間は下記のようになるようです。

軽度(症状のいくつかが当てはまる):1カ月

中ぐらいの程度(軽度よりもさらに多くの症状があてはまり、仕事の遅刻や早退が増える):3~6カ月

重度(さらに多くのの症状があてはまり、欠勤が続くことも):1年以上

休職中のお金

休職するにあたり、心配なのはお金のことではないでしょうか?

通院が長引いた場合は治療費もかさんできます。

治療費に関しては「自立支援医療」「高額療養費」という制度、休職中の手当は「傷病手当金」があります。

ひとつずつ見ていきましょう。

自立支援医療制度

精神科、心療内科でかかった医療費を、通常の3割の自己負担を1割まで軽減できる制度です。

ただし、「指定自立支援医療機関」でしか受けられません。

指定の医療機関かどうかはその医療機関に尋ねるか、精神保健福祉センターに聞くと良いそうです。

申請書は医療機関や市区町村の窓口にあるそうです。

制度の詳細はこちらをご覧ください。

 厚生労働省 精神疾患で通院による精神医療を続ける必要がある病状の方に、通院のための医療費の自己負担を軽減する制度があります

高額療養費制度

一カ月にかかった医療費が高額になった場合に、決められた負担額(自己負担限度額)を超えた部分について、後日払い戻しを受けられる制度です。

自己負担限度額は年齢や所得によって異なります。

詳細はこちらをご覧ください。

全国健康保険協会 高額な医療費を支払ったとき

傷病手当金

被保険者が病気やけがで会社を休み、十分な給与がもらえないときに、給与の3分の2を限度として支給されます。

受給するためには次の4つの条件をすべて満たしていることが必要です。

  1. 仕事以外の理由による病気やケガの療養のための休業であること
  2. 仕事に就くことができないこと
  3. 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
  4. 休業した期間について給与の支払いがない、または一部の支払いであること

傷病手当金が支給される期間は、支給を開始した日から最長で1年6カ月です。

注意したいのは、途中で仕事に復帰した期間があっても、その期間も1年6カ月に含められることです。

例えば、

2020年1月~6月 休職期間

2020年7月~12月 復帰期間

2021年1月~8月 休職期間

だとすると、休職を開始した2020年1月から2021年6月までで1年6カ月経っているので、傷病手当金は2021年6月までしか支給されないことになります。

傷病手当金は同一疾病については1度しか支給されませんが、一定の期間治癒が認められて就業し、その後に再度、同一疾病で休職したいときは、別の疾病とみなされて支給が認められることがあります。

支給が認められるかどうかの判断は保険者(全国健康保険協会もしくは健康保険組合)になります。

一度復帰してしばらく就業してから、再度同じ病名で休職することになったときは、傷病手当金の対象になるか保険者に確認しましょう。

全国健康保険協会 病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金

保育所は退所しなくてはいけない?

うつ病で休職しても保育所は退所しなくても大丈夫です。

ほとんどの保育所は「両親が働いている」こと以外にも、親が「求職中」「疾病」を条件にしてるからです。

ただ、「疾病」が子どもを保育所に預ける理由になっている場合は、医師による診断書の提出が必要な場合もあります。

休職に入る場合は、保育所に「緊急連絡先」の変更を連絡するのを忘れずに。

保育所から職場に電話がかかってきても対応できません。

もし、休職の結果、うつ病を理由に退職したとしても、医師の診断書があれば「保護者の疾病」を理由に保育所の利用を継続できることもあります。

また、病気が理由の退職でないときも、「求職中」ということで2~3カ月はそのまま保育所に通えるところが多いようです。

ただし、いずれは就職するということが前提ですので、期限にご注意ください。

なお、この「2、3カ月」は自治体によって異なりますので、保育所等に確認してくださいね。

まとめ

育児と仕事で毎日忙しいあなた。

家事も工夫をしながらこなしていますよね。

でも、ぎりぎりまで頑張らないでください。

笑顔を作れるけれど、心は悲鳴を上げているなら、どうか、笑顔を作れるうちに周りに助けを求めてください。

まだ頑張れるけれど、疲れちゃったな、と思ったら休んでください

体と心を壊してしまったら元も子もありません。

ママが心からの笑顔でいることが、子どもも家族も笑顔にします。

もうだめだ!となる前に、ママが自分の心の状態に気づけますように。

この記事がきっかけになれば幸いです。

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