育児と仕事
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転職者が知っておきたい育児休業給付金の受給条件とは?完全月って何?

やなかゆう
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転職して1年未満でも、育児休業給付金がもらえるって本当?

友人のAさんは何年も不妊治療を続けていましたが、なかなか結果がでず、子どもがいる生活をあきらめて新しい仕事を始めました。

仕事を初めて数か月。

Aさんのお腹の中に、なんと赤ちゃんがいることがわかりました。

「あんなに頑張っても授からなかったのに!」

待望の妊娠に、Aさんは嬉しさで涙が止まりませんでしたが、

一方で「新しい会社で働き始めたばかりなのに、ちゃんと子育てできるのかな…?」と不安が芽生えました。

同じ会社で働く先輩ママに、妊娠したことをこっそり報告すると

「確か転職したばかりでも育休とれるし、お金も出ると思うよ!調べてみたら?」

と、優しいアドバイスをもらいました。

Aさんはさっそく育児休業や給付金について調べてみましたが、制度は思っていた以上に複雑!

自分が育児休業給付金の受給対象なのか判断できなかったので、Aさんは申請することをあきらめようとしていました。

この記事を目に止めてくださっているあなたは、今、Aさんと同じような状況なのではないでしょうか?

あきらめるのはまだ早いです!!

今から、転職して1年未満の方が、育児休業給付金を受給するための条件をわかりやすくご紹介します!

転職者が育児休業給付金をもらうには?

産後の育児にともなうお休みには「育児休暇」「育児休業」の2種類あります。

前者が会社独自の制度で、後者が法律で定められた制度です。

この違いについてはこちらの記事で詳しく説明しています。

「育児休暇」とは?「育児休業」とは?混同されがちな「育休」について教えます

今回お話しするのは後者の「育児休業」期間にもらえる育児休業給付金についてです。

育児休業給付金とは国が運営している雇用保険から育児休業中の労働者に対して支給されるお金です。

もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください!

育児休暇中は給料がもらえないって本当!?年収やボーナスはどうなるの?

育児休業給付金を受給するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。

転職されたばかりの方でも、その条件さえクリアすれば受給することが可能です!

育児休業給付金の受給条件

育児休業給付金の受給条件は次の5つです。

  1. 雇用保険に加入している
  2. 育休開始前の2年以内に、11日以上勤務している日が12か月以上ある
  3. 育休中に育児休業開始前の賃金の80%以上にあたる賃金が支払われない
  4. 育休期間に働いている日数が1カ月で10日(10日を超える場合は80時間)以下である
  5. 育休終了後に退職する予定がない

転職したばかりの方の場合だと、現職だけでは

「②育休開始前の2年以内に、11日以上勤務している日が12か月以上ある」

の条件をクリアできない方がいらっしゃると思います。

そのような方でも

  • 前職退職後の離職票を失業保険で使っていない
  • 前職を退職してから1年以内に現職に就いている

の2つの条件を満たせば、前職で働いた期間と現職で働いている期間を合算して12ヵ月以上とすることができます!

転職者が注意すべき「完全月」とは?

前職と現職で働いていた期間の合計がギリギリ12ヵ月という方は「完全月」に注意が必要です。

完全月とは育児休業開始日前日から1ヶ月ごとに区切った期間のことです。

一般的に1ヵ月間というと「1/1〜1/31」「2/1〜2/28」…のように歴月で考えると思いますが、育児休業給付金の申請では完全月が使われます。

例えば、出産予定日が4月20日の場合でみてみると、育休開始日は出産日から57日後の6月16日になります。

そして、完全月は「6/15~5/16」「5/15~4/16」「4/15~3/16」…のよう区切られます。

入社したばかりの月は完全月の条件を満たさない場合が多い、必ず確認しましょう。

事例を検証!転職者Aさんは受給できる?

転職したばかりの方でも、条件を満たせば育児休業給付金を受給することができるとわかったところで、具体例を検証していきましょう。

冒頭でお話したAさんの例でみていきたいと思います。

【Aさんの条件】

  • フルタイム正社員(月給制)
  • 前職退職日2020年7月31日
  • 現職入社日2021年4月1日
  • 出産予定日2021年10月1日
  • 育休期間は子供が1歳になるまで
  • 前職・現職ともに雇用保険に加入している
  • 前職退職時に失業保険を申請していない
  • 前職の給料月平均25万円
  • 現職の給料月平均30万円

※あくまでも参考例で、実際の条件とは異なります。

まずは受給条件を一つずつチェック

まず、受給条件を満たしているか1つずつ見ていきましょう!

  • 雇用保険に加入している

「前職・現職ともに雇用保険に加入している」とあるのでOK!

  • 育休開始前の2年以内に、11日以上勤務している日が12か月以上ある

→8月末に産休に入るとすると、現職で働いている期間が5か月半しかないので要確認!

  • 育休中に育児休業開始前の賃金の80%以上にあたる賃金が支払われない
  • 育休期間に働いている日数が1カ月で10日(10日を超える場合は80時間)以下である

→育児休業中に働いたり、給料がでるといった情報はないのでOK!

  • 育休終了後に退職する予定がない

「育休期間は子供が1歳になるまで」と決めているのでOK!

  • 前職退職後の離職票を失業保険で使っていない

「前職退職時に失業保険を申請していない」とあるのでOK!

  • 前職を退職してから1年以内に現職に就いている

→Aさんの空白期間は8ヵ月なのでOK!

Aさんが育児休業給付金を受給するには、前職で働いた期間と現職で働いている期間を合算して12ヵ月以上になるかどうかで決まりそうですね!

働いている期間の合計を調べよう

Aさんのように、働いている期間の合計が12か月になるかどうか微妙なラインの時は、表にしてまとめるとわかりやすくなります。

まず、Aさんの完全月の期間を出すために、育休開始日を調べましょう。

出産予定日さえわかれば、こちらのサイトから育休開始日を調べることができます。

産休・育休はいつから?産前・産後休業、育児休業の自動計算|妊娠・出産をサポートする 女性にやさしい職場づくりナビ (mhlw.go.jp)

Aさんの育休開始日は11月27日なので、完全月はその前日から1ヵ月ごとに区切った「10/27~11/26」「9/27~10/26」「8/27~9/26」…という風になっていきます。

表にまとめるとこうなりました!

【準備中】

⑧の3月26日~4月27日は勤務日数が11日以上ですが、3月26日~3月31日まで仕事に就いていないため完全月の条件をクリアできていません

前職で働いた期間と現職で働いている期間を合算して、なんとか12ヵ月ピッタリでした!

もし、Aさんが体調不良で欠勤してしまい11日以上働けない月がでてくると、受給できなくなります。

ギリギリのラインなので、うまく有給休暇を使いながら勤務日数11日以上確保していきたいところです。

Aさんは育児休業給付金でいくらもらえる?

育児休業給付金は次のように計算して決められます。

  • 育休開始から180日目まで=休業開始前の6ヵ月の平均賃金×67%
  • 育休開始から181日目以降=休業開始前の6ヵ月の平均賃金×50%

平均賃金の算出に使われる給料には

「賃金支払い基礎日数が11日以上のもの」

という条件があります。

簡単にいうと11日以上働いている月(完全月ではなく歴月)の収入です。

Aさんの場合は現職の「2021年4月~8月までの4ヵ月の給料」と前職の「2020年7月~8月までの2ヵ月の給料」の6ヵ月分の給料の平均賃金で算出します。

計算すると平均28.3万円で、育休開始から180日目までは月18.9万円、181日目からは月14.1万円になりました。

1歳までの合計金額は約171万円です。

もらえるか微妙なラインだったAさんにとって、かなり嬉しい情報かもしれませんね!

育児休業給付金の計算方法をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事でより具体的に説明しているのでチェックしてみてくださいね。

育児休暇中にもらえるお金、一緒に計算しませんか?超具体的に解説します!

まとめ

転職された方が、育児休業給付金を受給するには次の5つの条件を満たす必要があります。

  1. 雇用保険に加入している
  2. 育休開始前の2年以内に、11日以上勤務している日が12か月以上ある
  3. 育休中に育児休業開始前の賃金の80%以上にあたる賃金が支払われない
  4. 育休期間に働いている日数が1カ月で10日(10日を超える場合は80時間)以下である
  5. 育休終了後に退職する予定がない

さらに転職して数か月の場合は

  • 前職退職後の離職票を失業保険で使っていない
  • 前職退職してから1年以内に現職に就いている

の条件が加わります。

現職で働いている期間が短い場合でも、前職との合計で12ヶ月以上働いていれば受給可能です。

その際は、1ヶ月を完全月で数えるところに注意しましょう!

育児休業給付金は、これから仕事と育児の両方頑張ろうとしているママとパパのために、法律で定められた制度です。

働きながら子育てをするってめちゃくちゃ大変です。

そんな大変なことを、これから頑張ろうとしているあなたは素晴らしいです。

条件を満たしていれば、胸を張って給付金をもらっていいと思いますよ!

転職して間もないからと、最初から受給をあきらめないでくださいね。

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